2014 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼法とヒスチジン経口摂取のコンビネーションによる抗肥満効果の解明
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25350128
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 広子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60438190)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咀嚼 / ヒスチジン / 抗肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本はもとより世界的に深刻かつ緊急に解決しなければならない肥満予防・改善を目指して、脳内ヒスタミン・ニューロンを賦活化し内臓脂肪低減に有用な①咀嚼法と②ヒスチジン経口摂取のコンビネーションによる抗肥満効果を解明することを目的とする。その為に、代表者のH22-24年度の基盤研究Cをさらに発展させ、咀嚼法とL-ヒスチジンの経口摂取を組合せたヒト介入試験を実施し、抗肥満効果を解明する。その上で、肥満予防・改善における“簡便かつ効果的な体重減少法”を確立し、エビデンスに基づいた肥満指導の確立とメタボリックシンドローム予防・治療のガイドラインの策定に貢献することをゴールとする。 平成26年度は、咀嚼法とヒスチジン経口摂取を併用したヒト介入試験を実施した。静岡県立大学研究倫理審査委員会の承認後、同意を得た青年期男性で肥満・肥満傾向の者を対象者とした。対象者は、アセスメントを実施後、対象者を対照群、咀嚼群、ヒスチジン群に分け、12週間介入試験を行った。全群に対し、介入前と同様のアセスメントを介入後に実施し、介入効果の検討を行った。 咀嚼群では、介入後に摂取エネルギー、炭水化物摂取量が有意に減少した。また、食行動質問表の得点において、「早食いである」、「ほとんど噛まない」など食べ方に関する質問項目の平均点数が低値傾向にあった。ヒスチジン群では、介入後に摂取エネルギー、摂取重量が有意に減少し、疲労自覚質問紙の得点が介入後に有意に低値を示した。 本研究結果より、継続的な咀嚼法やヒスチジンの継続摂取は、摂食抑制効果を発揮する可能性が示唆され、ヒスチジンは、咀嚼回数が少ない現代人に対し、咀嚼の代替となる可能性が推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度予定の研究計画として、ヒト介入試験が実施できおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度ヒト介入試験の結果を基に、対象者を成人期女性とし、平成26年度と同様の方法で咀嚼法とヒスチジン経口摂取によるヒト介入試験を3ヶ月間実施する。その上で、咀嚼法とヒスチジン経口摂取による抗肥満効果の効果検証を行う。
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Causes of Carryover |
初年度の約180名の対象者の血液検査が対象者の都合で実施できず、健康診断の結果を使用させていただいたことから、血液検査代が最終年度まで残り、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度にヒト介入試験を実施し終了予定だったが、再度平成27年度に対象者を変えてヒト介入試験を計画している。前年度予算と本年度予算で平成27年度の研究費用に充てる予定である。
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Research Products
(6 results)