2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the factor for persistence of Listeria monocytogenes in food processing plants
Project/Area Number |
25350180
|
Research Institution | Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
中村 寛海 大阪市立環境科学研究所, 調査研究課 微生物保健グループ, 研究主任 (00332445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 純 宮崎大学, 農学部, 准教授 (00437948)
西川 禎一 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60183539)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | リステリア / アイスクリーム / 食品製造施設 / MLST / PFGE / アメーバ |
Outline of Annual Research Achievements |
6月に平成27年度までの成果を国際学会(ISOPOLXIX)で発表した。また、今年度は、新たにアイスクリームおよびその製造施設におけるListeria monocytogenes (LM)の汚染状況についての調査を実施した。アイスクリームは賞味期限の表示を省略することができるため、市場に流通する期間が長く、製品が一度LM汚染をうけるとこれらと接触する機会も多くなる。米国で2015年に発生したアイスクリームによるリステリア症事例は、患者10名のうち3名が死亡した。本事例は異なる州に存在する2つの病院で低濃度のLMに汚染されたアイスクリームを原料として調製されたミルクシェーキを食べたことが原因とされている。そこで、大阪市内のアイスクリーム製造施設3施設から採取した89検体および市販のアイスクリーム類17検体、計106検体についてLM汚染状況を調べた。また、アイスクリーム類にLMを添加して冷凍保管し、LMの生残について調べた。その結果、全ての検体からLMを含むリステリア属菌は検出されなかった。アイスクリーム類は乳等省令および食品衛生法で成分規格が定められていることから、製造者の衛生管理意識が高い食品であると考えられた。しかしながら、LM添加回収試験の結果、アイスクリーム類のうちでも特に乳脂肪分および乳固形分を含むアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスについては6週間後もLM菌数は低下しなかった。また、アイスクリームは賞味期限の表示を省略することができるため、市場での流通期間の長い食品であることを考えると、たとえ汚染菌数が少なくても、高齢者や基礎疾患を有する患者が喫食した場合、死に至る可能性もあり、その製造環境の衛生管理には細心の注意が必要である。
|