2014 Fiscal Year Research-status Report
<ものの光学的・電気的・磁気的性質とその応用>を学習する教材と授業プログラム開発
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25350186
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
千葉 芳明 宮城教育大学, 教育臨床研究センター, 研究員 (40113881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 亮 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50199577)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光教材 / 物理教育 / 応用物理教育 / 虚像と実像 / 屈折の法則 / 光の授業プログラム / 電球とLED / 電気磁気教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
[光の進み方と色の性質を学ぶ授業プログラムの研究]これまでの研究成果を踏まえてスライドプロジェクターを活用した系統的な授業案を創案した。主な項目を示す。1)プリズムを用いた光の直進・反射と屈折・分散(プリズムで虹をつくろう)。2)鏡と凸レンズを用いた虚像と実像の相異点(実像をつかまえよう)。3)光の波動性と回折(CDと格子で虹をつくろう)。4)偏光板を用いた光の明るさと光波の振幅関係(重ね合わせ順を変えて透過光の明るさを変えよう)。5)偏光による着色現象(互いに補色の関係にある色をつくろう)。 項目1の分光の授業では手と足を動かし、プリズムや回折格子の位置や角度を調整して観察する必要があるので、光の直進、反射、屈折分散現象を実感として理解できた。また、可視光の中心に位置する緑色の光が簡単には現れないことを視覚的、体験的に理解できた。さらに、スライドプロジェクターを用いた、色の重ね合わせの観察から、光の3原色やインクの3原色の相違点や光の加算や引き算で様々な色を作り出すことを演示できた。電球の光の色は電圧が低い時には暗く赤味がかっている。電圧を大きくすると、電球は明るくなり、夕焼けのような橙・黄色の光から白色光に変る。この色の変化は簡易な分光器具で直接観察することができた。 [小型水箱を用いた屈折の法則の授業プログラム]小型の水箱を用いた観察実験を中心に光の屈折や反射現象の理解を深める授業プログラムを創案し、実践した。水箱の大きさは、小型で持ち運びが容易なので、屈折、反射現象の他に光の分散や回折の学生実験に用いることができる。この屈折の授業の特徴は、特別な光源を使わずに、実験・観察を通して光が屈折の法則に従って、進むことを学習できることである。また、空気中から水箱に入射し、屈折して出てくる光によって、虚像が現れることも学習できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[光の進み方と光と色の性質を学ぶ教材と授業プログラムの研究]では、系統的な授業実践案を創案し、授業プログラムを検討することができた。水箱を用いた光の屈折の法則の授業プログラムを創案した。この教材では屈折・反射現象だけでなく、全反射現象や虚像の学習の導入に用いることができる。また、鏡による虚像の観測の授業にも有効である。これらの実践の成果を応用物理学会のシンポジウムおよび学術講演会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
[光の進み方と色の性質のついての授業プログラム]自然界にある発光、反射、散乱など様々な光現象と色の関係を平成26年度に購入したカメラを用いて分析し教材化を研究する。また、これまでの成果をもとに授業テキスト案を研究する。具体的には、合わせ鏡を用いた周期的な虚像の観察実験、虚像と実像の相違点を示す授業を研究したい。この授業プログラムの展開は、光の進み方について興味や関心を喚起する授業プログラムを作り、学校外教育の場で実践したい。具体的には申請者らがこれまで研究・開発してきた下記に示す教材の導入になる授業プログラムを研究し、初等・中等教育における教材開発に役立てたい。 [光現象と電気・磁気現象の関連を学習する学習教材と授業プログラムを研究]物質の誘電率、透磁率と光の屈折率の関係を学習教材を開発する。光や電磁波の速さは物質電気的性質および磁気的性質に依存する。これを理解するために誘電率と透磁率を測定する学習教材を開発する。 [磁場中の磁気力から磁性体の性質を学習する実験教材の開発]磁石による磁界の発生と電流による磁界の発生から学習する教材の開発から始める。次に磁石につくもの、つかないものの分類から、反磁性体、常磁性体、および強磁性体の理解を深める学習教材の検討・開発を行う。 [太陽電池を用いた半導体の電流-電圧特性と光電流を理解する学習教材の開発]および[ペルチェ素子を用いた電気と熱の関係を調べる学習教材の開発]ダイオードは電気エネルギーを光や熱に変換することとができ、逆に光や熱から電気エネルギーを取り出すこともできる。この現象を学習する実験教材を開発する。また、物質の光・電気・磁気の性質は強く温度に依存する。これを示すため、ペルチェ素子を用いた小型温度可変教材を開発する。
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Causes of Carryover |
光の進み方と色の性質の授業プログラムの実践内容とを手順を検討するために時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年以降の授業実践や教材開発に合わせて物品を購入する。 光と色の性質の学習プログラム、結像の授業の実践や展開方法の教材化を研究するための(レンズ類、鏡類などの光学教材)を購入する。実験観察のテキスト作りのために必要な物品を購入する。
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Research Products
(2 results)