2014 Fiscal Year Research-status Report
トランスサイエンス問題に関する「意思決定支援型」ワークショップの開発
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25350222
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石村 源生 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (90422013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 美帆 北海道大学, 創成研究機構, 特任准教授 (80422020)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | AHP / ワークショップ / 価値観 / 評価基準 / 選択 / 意思決定 / 合意形成 / トランスサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
AHP(階層分析法)を応用したワークショップを設計し、2種類のテーマに関してそれぞれ内容をカスタマイズしつつ、その実施とデータ収集を行った。 2015年1月17日に、ワークショップ「持続可能な漁業のあり方について「気仙沼のヨシキリザメ漁」を題材にして考える」を実施した。参加者には、まずワークショップに先だって基本的な知識を学ぶための動画をウェブ上で視聴してもらい、次にウェブ上でAHPに基づいて設計された一対比較法によるアンケートに回答してもらい、各回当時に考えたことを自由記述でも併せて報告してもらった。ワークショップ本番では、それらの結果を整理、計算、可視化した資料を用意して参加者全員に配布して共有し、その資料に基づいて、(1)自分自身の価値観を再認識すること、(2)他者の価値観の多様性を発見すること、(3)それらを踏まえて問題への新しいアプローチを探ることを目標とした。 また、同1月31日には、科学館関係者、科学技術コミュニケーション関係者、それ以外の一般市民、という三つのセグメントから参加者を募り、ワークショップ「子供のためだけじゃない、みらいの科学館の形。」を開催した。事前に専門知識を提供するプロセス以外は、前回のワークショップと同じ手法を用いた。 各選択肢に対する複数の評価基準毎の評価、評価基準間の相対的な重要度の評価、直接選択とその確信度の変化といったデータの分析・利用可能性、ならびにそれらを資料として参加者全員で行うワークショップの、新たな選択肢や評価基準の提案機能、協調学習機能、問題の再定義に関する機能について、これらのワークショップの結果を踏まえて再検討し、今後より精緻なワークショップデザインと分析手法を開発し、実施を重ねてデータを蓄積していくことによって、トランスサイエンス問題に取り組むための市民参加型手法に関して、新たな知見が得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度AHPワークショップを二回実施することができ、分析に必要なデータ(Web上でのAHPアンケート、ワークショップのグループディスカッションでの会話データ、ワークショップの参加者によるワークショップそのものについてのアンケート等)も十分収集することができた。今年度はこれらのデータを詳細に分析し、その結果を活用することによって、ワークショップをより効果的なものに改善する見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施した二回のAHPワークショップについて、Web上でのAHPアンケート、ワークショップのグループディスカッションでの会話データ、ワークショップの参加者によるワークショップそのものについてのアンケートなどのデータを収集した。今年度はこれらのデータ、特に会話データを中心に詳細に分析し、その結果を活用することによって、ワークショップをより効果的なものに改善していくとともに、その家庭で得られた知見を論文等にまとめて発表していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度必要と思われたワークショップのデータ記録用機器等を共用品等でまかなえたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ワークショップの会話分析のためのテープ起こしや、更に精緻な記録のための機器の購入、学会発表、情報収集、打ち合わせのための旅費に充当する予定である。
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Research Products
(6 results)