2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350469
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Research Institution | Shohoku College |
Principal Investigator |
田口 由美子 湘北短期大学, その他部局等, 教授 (50286233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ワーク・モチベーションの要因 / IT企業におけるワーク・モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
対象業種をIT企業として、IT企業の従業員のモチベーションの要因を検討することを目的として,研究計画にあげた7つの手順のうち手順1~4を中心に取り組んだ。成果は次の通りである。モチベーション形成要因は平成25年度の実績の要因候補をもとに、IT企業経営者へのヒアリング調査をもとに検討した。モチベーションの大きな要因は25年度に決定した9つの要因である。すなわち、評価、達成,成長,収入,人間関係,労働条件,仕事,職場,WLBである。一方、各要因を構成する要因に変更があった。変更のあった大要因は、収入と人間関係を除く7つの要因である。評価は5つからなる。すなわち,上司からの評価、同僚からの評価、部下からの評価、顧客からの評価、社会からの評価である。達成は3つからなる。自身の役割が明確,仕事の達成感,会社への貢献である。成長は3つからなる。すなわち,能力向上,昇進制度,教育制度である。労働条件は2つからなる。すなわち仕事量,労働時間である。仕事は4つからなる。すなわち,仕事の面白さ,仕事の難易度,仕事のやりがい、仕事の権限である。職場はさらに4つからなる。すなわち,職場の快適さ、職場の活気、職場の一体感、部門間の連携である。WLBは5つからなる。すなわち,育児休業制度,介護休暇・休業制度,短時間勤務制度,有給休暇制度,テレワーク制度である。また,従業員属性の要因については年齢、婚姻状態、同居家族を取り上げた。実在のIT企業2社(A社,B社)の従業員にモチベーションについて調査した。A社は小学生以下の子どもがいる40代の非正規女性社員が占める職場である。仕事の面白さ、給与や賞与、がモチベーションを高める要因として見られた。一方、B社は独身が多い20~30代の正規社員が占める職場である。能力向上、給与や賞与が、モチベーションを高める要因として見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度は、次の3点の状況から集中して時間をとることが難しくなったため、進行が遅れてしまった。 1.所属先において大きな改組の取組みが始まり、そのための準備時間がかかった。 2.担当しているゼミナールでは就職内定までが責務となっている。例年に比べ、担当学生の就職内定が年末近くなっても得られず苦戦していた。そのため卒業近くまで指導することになった。 3.同居の父親の体調不良になる状態が例年に比べ増えた。そのための介護や看病の時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の手順3のモチベーション形成要因と手順4の従業員属性を明確化するために、より客観的な手法として導入した統計ソフトを用いて、モチベーションに関連性が高い要因の検討と、モチベーションの要因に関連性の高い従業員属性を検討する。その後、明らかになっているノウハウを活用して、手順5の改善優先順位を導出、手順6のシステムプロトタイプを開発する。それに基づき有効性を検討に取り組む。平成26年度の成果は、7月下旬、米国で開催される国際会議AHFE International2015で発表する。 昨年度の遅れの原因になった、就職指導と介護の看病については、また今年度も起こりうる。就職指導について早めに積極的にかかわり、一人でも早く内定者をだすべく取り組む。また介護等については重篤な状態にならないように日ごろから変化に目をくばり、介護の状態になっても、在宅勤務で介護と研究を両立するように要領を考えて取り組む。
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Causes of Carryover |
国際会議で発表するための発表資料の英文翻訳・校正代と企業調査先の謝礼分を計画していた分が発生せず、次年度使用額となった。国際会議はモチベーション研究の動向を調べるために参加のため発表は行わなかったためその分の英文翻訳・校正は発生しなかった。また企業調査先に対する謝礼では、アンケート調査の結果を提供することにしたため、謝礼分が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度の成果発表のために、7月下旬米国で開催される国際会議AHFE International2015で発表することになっている。その発表資料の英文翻訳・校正代として利用する。研究計画の手順6等で行う今後行う企業アンケート調査については効率よくアンケート発送・回収などを行うために、外部に委託する。その分のアンケート発送・回収委託料として使用する。
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