2014 Fiscal Year Research-status Report
マルチエージェント手法を用いた自律的避難支援システムの開発と有効性の評価
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25350481
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
飯塚 泰樹 東海大学, 理学部, 准教授 (80580844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 佳代 専修大学, ネットワーク情報学部, 教授 (80433861)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害避難 / 避難支援システム / 自律分散協調 / シミュレーション / 利用者調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度,災害時の避難誘導問題に分散制約最適化フレームワークを導入するための定式化と適用方法に関する研究を進めたが,今年度はこれをいくつかのシナリオへの適用を試みた. 今年度も昨年度に引き続き,マルチエージェントシミュレーションを採用した実験を採用した.しかし避難者の数を大幅に増やし,複雑な状況を実験するために,今年度はシミュレータの再構築を行った. 実験では,複数の避難経路があって避難者が混乱する状況や,複数の段階での意思決定が必要な状況などについて,避難誘導方式の効果を実験した.避難中に避難経路の混雑から混乱が発生するような状況を人為的に設定した場合,避難時間が非常に長くなってしまう(避難時間の頻度分布がロングテールになる)ことがあったが,避難支援システムの指示により混乱を緩和し,避難時間の短縮するなどの効果を確認することができた. また,これらの実験と並行して,このようなシステムを想定した場合の利用者の意識調査を,インターネット上で100人の規模で実施した.その結果,全体の避難時間が短縮されるということがわかっているならば,システムの誘導に従うという利用者が非常に多いことが判明した.すなわち,避難時間短縮の効果を明らかにしておくことが,システム実現の条件の一つであることが明確になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに以下の成果について国内外で発表を行っており,成果が得られている. (1)分散制約最適化フレームワークを用いた自律的避難支援システムのための計算方法 (2)分散制約最適化フレームワークを用いた自律的避難支援システムの効果についてのマルチエージェントシミュレーションを用いた評価 (3)自律的避難誘導における心理学的側面の検討と利用者意識調査 今年度は特に複雑な条件,非常に多数の避難者を想定したシミュレーションを実施し,混乱の発生の抑制などを効果として確認することができた.今年度の複雑な状況における災害避難のシミュレーションを実施するため,既存のマルチエージェントシミュレータではルール記述に限界があったため,シミュレータを構築しなおした.また利用者の意識調査を行うことで,システム実現のための条件が明らかになった.
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Strategy for Future Research Activity |
全利用者が端末を持たない状況において,代表者が吸着誘導を行う場合についての提案システムの効果など,現実で起こり得る複雑な条件設定での実験を進めるとともに,今までの成果をまとめて論文誌への投稿を行う予定である.
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Causes of Carryover |
学会出張旅費精算において端数が発生しました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の出張旅費に使う予定です.
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Research Products
(3 results)