2013 Fiscal Year Research-status Report
崩壊予測手法の解析精度向上のための森林斜面内での雨水の挙動に関する水文学的研究
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25350504
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Shinshu University |
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Principal Investigator |
平松 晋也 信州大学, 農学部, 教授 (70294824)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 裕 信州大学, 農学部, 助教 (00231241)
福山 泰治郎 信州大学, 農学部, 助教 (60462511)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 樹木根系 / 崩壊予測 / 散水実験 / 現地水文観測 / 花崗岩地域 |
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| Research Abstract |
現地採取土壌と擬似根系を用いた室内散水実験を実施することにより，樹木根系周辺部での雨水の挙動の実態把握を行った。さらに，実際の林地斜面内部に存在する樹木根系周辺部での雨水の挙動を明らかにするため，花崗岩地域において現地水文観測を開始した。
1)室内散水実験による樹木根系周辺部での雨水の挙動の実態把握： 花崗岩流域より大型不攪乱試料（L=30cm,φ=30cm）を採取し，疑似根系(活性根＆腐朽根)を用いた室内散水実験を実施した。その結果，透水性の高い花崗岩地域においても，降雨時には樹木根系周辺部に速い流れが形成され，樹木根系は土層内部での水循環や地下水深の形成に大きな影響を及ぼしている事実が明らかになった。
2) 現地水文観測による樹木根系周辺部での雨水の挙動の実態把握： 長野県与田切川流域内(花崗岩)に現地水文観測用のトレンチ断面(深さ：120cm，幅：150cm）を作成し，樹木根系周辺部での雨水の挙動の観測を開始した。積雪・融雪期を含め，観測期間は６ヵ月間と短いものの，降雨規模の増大とともに根系周辺部に浸透水が集中するようになり，土層内部での雨水の浸透過程において樹木根系は，バイパス的な役割を担っているといった注目すべき事実が明らかになった。
3) 樹木根系周辺部での雨水の挙動(根系流)のモデル化： 1)で実施した疑似根系(活性根＆腐朽根)を用いた室内散水実験結果を用いて，樹木根系周辺での雨水の流れ《根系流》の水理特性(流れの形態)について考察を加えるとともに，根系流のモデル化を行った。その結果，樹木根系の増加とともに樹木根系周辺部への浸透水の集中化が促進されるようになり，その結果として樹木根系周辺部での浸透流量(根系流)が増加する事実が明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地採取土壌を用いた室内散水実験を実施することにより，樹木根系周辺部での雨水の挙動の実態把握を行った。さらに，花崗岩地域において現地水文観測を開始し，実際の林地斜面内部に存在する樹木根系周辺部での雨水の挙動の概要を把握することができた。
このため，交付申請時に掲げた目的は概ね達成できたものと判断される。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成25年度より開始した1)～3)の研究を継続させる。そして，平成25年度研究で開始した現地水文観測を継続するとともに，これらの観測結果を用いて，平成25年度研究で構築した根系流モデルの妥当性の検討を行う。さらに，妥当性の検討に資するに足る自然降雨が発生しない場合も十分に想定されるため，散水強度を制御した人工降雨実験を実施し，樹木根系が土層内での雨水の挙動に及ぼす影響を定量的に把握することにより，樹木根系周辺部での雨水の挙動をモデル化し，その妥当性を確認する上での基礎情報とする。同モデルの妥当性が得られない場合には，平成25年度の検討課題である「3)樹木根系周辺部での雨水の挙動(根系流)のモデル化」に戻り，これらの現地水文観測結果(自然降雨＆散水実験)を踏まえた上で，根系流モデルの再構築を試みる。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度末に観測機器を現地に増設する予定であったが，大雪のため現地流域に機器を再設置することが不可能と判断し，発注を見合わせたため。当初増設予定であった機器については，雪解けを待ち，平成26年4月に設置済みである。
研究内容に不具合や変更が生じたものではないため，平成26年度以降の研究計画は交付申請時の計画と同様である。
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Research Products
(2 results)
