2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on flexible ion beam transport tube for dose-controllable and body-insertable micro X-ray source
Project/Area Number |
25350545
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小島 隆夫 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (90211896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオンガイド / 絶縁体 / 細管 / ガイド効果 / 放電制御 / 材質依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
材質の異なる絶縁体細管(直管:長さ50mm、内径1.1mm)のビームガイド効果の系統測定を行い、体積抵抗率が高い[低い]素材ほど、より高い[低い]エネルギー(加速電位)のイオンのガイドに適していることが系統的に確認できた。近く論文として発表する予定である。 次にいくつかの曲率(曲率半径100~270mm)で固定したガラス細管とテフロン細管(長さ50mm~70mm、内径0.8~2.4mm)を用いて曲管のイオンガイド効果を観測する実験を行い、数十%の輸送効率を得られることがわかった。ガラス細管の方がより高い効率が得られた。曲管を用いれば、同程度の長さの直管を傾ける場合よりも、2倍以上大きな角度までイオンを輸送できることもわかり、簡易イオン偏向器としての可能性が見えてきた(論文発表済)。さらに一歩進めてテフロン細管をS字に曲げた場合も試したが、実験した条件の範囲では、曲率半径270mm程度の緩いカーブのものでも安定なビーム輸送は観測できなかった。 これらの結果を受け、イオン輸送の安定化のため、細管の出入口付近の外周に電極を取り付け、溜まった電荷を定期的に放電してガイディング電位を積極的に制御することを考えた。先細り型ガラス細管を用いて予備的な実験を行ったところ、良好な結果を得た(論文発表済)。この方式を曲管でのイオンガイドに適用し、検証実験を進める予定である。 また、上述の材質依存性の観測から、抵抗率の大きいテフロンよりも、中庸な抵抗率のガラス素材の方がイオンガイド管に適していることがわかってきたので、ガラス繊維で編んだ断熱スリーブをテフロン細管内に収めて擬似柔軟ガラス細管とする手法を考案した。繊維編みによる表面の凹凸の影響も見極めるべく、上記ガラス繊維曲管のイオン輸送効率を観測する実験を進めつつある。
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Research Products
(2 results)