2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350573
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
菱田 博俊 工学院大学, 工学部, 准教授 (60373966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳植 公一 東京医科大学, 医学部, 教授 (00334061)
赤田 壮市 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246198) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心音 / 自己聴診 / 自動診断 / FFT / ニューラルネットワーク / 個体差 / 雑音 |
Outline of Annual Research Achievements |
携帯性に優れ、個人が自宅にて使用できる最終形態を見据え、心音を録音し、その二次元曲面に基づき自動診断するシステムの構築を目的に、以下の成果を得た。システムを、集音及び録音する録音系、録音された音をWAVEデータとして記録する記録系、WAVEデータをx軸を周波数、y軸を時間、z軸を振幅量とした二次元曲面に変換する処理系、二次元曲面から病名を診断する人工知能から構成した。 1)録音系を、既存の聴診器やマイクロフォンを活用し自作した。聴診器やマイクロフォンは日進月歩なので、今後も調査を継続する。自己聴診の為の聴診器の改善点を幾つか見出した。大型の膜無し面(オープンベル面)を用いるべきだが、特定の病気に対応する膜面も効果的と推察された。 2)記録系を、既存のオーディオ関連機器ソフトを用いて自作した。携帯する為の小型化は、今後の課題としたい。 3)二次元曲面をTXT形式で出力可能な処理系を、R言語で自作した。従来問題だったデータの互換性、可塑性、操作性等が改善された。 4)心音のデータをある程度集積し、それぞれの二次元曲面データを得た。一方、約20名の健全者から心音データを採取した。非健全者の心音データを当初患者から採取する予定だったが、個人情報取扱制度の厳格化により予定外に難しくなり、市販の医療教育用CDサンプル音を用いざるを得なかった。データ増しを今後の重要課題としたい。 5)ニューラルネットワークの学習に関して、一定の見解を得た。一方、健全心音の個体差が予想以上に大きく、データ増しが必要との結論に至った。時間軸方向より周波数方向に関して個体差が大きく、年齢、性別、身長、性格、運動経歴等に依存する可能性が見られた。非健全者のデータについても同様である。個体差や雑音に対する抵抗力を高める事を今後の重要課題としたい。
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