2013 Fiscal Year Research-status Report
高齢者を対象とした簡便で安全性の高い運動処方まで可能な全身持久力評価法の開発
Project/Area Number |
25350603
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 貴子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00612409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千住 秀明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30179361)
神津 玲 長崎大学, 大学病院, 理学療法士 (80423622)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 全身持久力評価法 / 高齢者 / ISWT / ISWRT |
Research Abstract |
本研究の目的は、リハビリテーション領域における高齢者用の「標準化」、「安全」、「簡便」、「妥当性」といった条件を満たす全身持久力評価法さらには結果を運動処方として使用可能なModified 10m Shuttle Walk and Run Test(ISWRT)を開発し、その有用性を検討することである。 平成25年度は10mSWTにRunning(ISWT)を加えたISWRTを開発し、高齢者の全身持久力評価としての特性を明らかにすることである。 対象は、長崎市内で研究協力の同意が得られている包括支援センター管轄の一般高齢者運動教室2教室に参加され、研究に同意が得られた40名。 方法は対象にISWTとISWRTを実施した。 結果、解析対象者は37名であった。ISWTとISWRTの移動距離は平均で414.2m、523.3mとISWRTの方が有意に長かった。またそれぞれのテストの中止理由は、ISWTは全員スピードについていけず終了に対し、ISWRTは6名がスピードについていけずに終了、31名が呼吸困難感で終了していた。さらに、テスト終了時のそれぞれの予測最大心拍数に対する割合は、ISWTは83%に対しISWRTは97%であった。 以上のことから、高齢者におけるISWRTはISWTと比較し適切な運動負荷を加えることができ、高齢者の全身持久力能力を引き出すことができる評価法になりうることが示唆された。また、予測最大心拍数内でテストも終了しており有害事象も生じていないことからもISWRTは高齢者における新たな全身持久力法として使用可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長崎市内包括支援センター管轄の一般高齢者の方々の協力のもと、年度の事業計画は進行している。 しかし、対象者数が当初予定の対象者見込みより少なく70%程度になっている。 次年度以降も他の運動教室も含めた新規対象者を募っていく予定。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者に対するISWRTは全身持久力の新たな評価法であることが示唆されたことから、今後はISWRTの信頼性と再現性について検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究対象者数が目標の3分の2であったため、そこに使用する金額分が少なかった。 平成26年度にさらに研究対象者数をリクルートし、測定するための諸経費に使用する計画。
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