2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350623
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
児玉 三彦 東海大学, 医学部, 講師 (90317777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正門 由久 東海大学, 医学部, 教授 (10173733)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肘部尺骨神経障害 / 運動神経伝導検査 / 感覚神経伝導検査 / インチング法 / 小指外転筋 / 第1背側骨間筋 / 尺骨神経手背皮枝 / 混合神経比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【概略】肘部尺骨神経障害(ulnar neuropathy at the elbow:UNE)の神経伝導検査(nerve conduction study:NCS)を高い精度で実施するために,臨床診断されたUNE症例に以下のNCSを施行し,感度と特異度を比較した. スタンダード検査:①小指外転筋(abductor digiti minimi:ADM)導出運動神経伝導検査(motor NCS:以下MCS),②第5指(digit 5:D5)導出の感覚神経伝導検査(Sensory NCS:以下SCS).追加検査:③第1背側骨間筋(first dorsal interossei:FDI)導出MCS,インチング法(④ADM導出,⑤FDI導出),前腕筋MCS(⑥深指屈筋導出,⑦浅指屈筋導出),⑧尺骨-正中神経間混合神経比較法,⑨手背皮枝SCS. 【実績】 健常者:25名50手の測定値から正常値を作成した. UNE症例:臨床診断された37名39手にNCSを実施し,他疾患を除外した24手が最終的な対象となった.各NCSの感度はそれぞれ①54%,②37%,③54%,④79%,⑤83%,⑥46%,⑦33%,⑧46%,および⑨54%であった.特異度は全てのNCSで95%を上回った(96~100%).第4,5指,小指球部および手背内側の尺骨神経感覚支配全域に感覚障害がみられ,かつ同神経支配の前腕筋筋力低下を認めた典型例12手(Definite群)と,症状が部分的である症例12手(Possible群)に群別し,追加検査の感度をスタンダード検査と比較すると,④⑤は両群で高感度で,特に⑤は①③に比較して有意に高かった(McNemar's test, p<0.05).一方,⑥⑦はDefinite群で,⑧はPossible群で比較的感度が高値であった.結論:インチング法はUNEに対して優先度の高いNCSである.
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