2014 Fiscal Year Research-status Report
肩関節障害に対する物理療法の作用機序-物理刺激は腱板血流に影響を与えるか?-
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25350630
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
水出 靖 東京有明医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30563407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 友実 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (70235117)
野口 栄太郎 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80218297)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腱板 / 血流 / 熱刺激 / 刺激部位 / 棘下筋 / 三角筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
肩関節障害に対する物理療法の作用機序を明らかにする目的で、体表への物理刺激が肩関節部の主要な病変部位である腱板の血流に及ぼす影響について検討した。当初、中間年度の平成26年度は、刺激方法を初年度の熱刺激から寒冷刺激に変えて血流反応を観察する予定であったが、25年度の成果を受け、引き続き熱刺激による反応についてさらに詳細に検討する事とした。 実験は、刺激部位の違いによる血流変化を明らかにする事を目的に、ラットを対象に、刺激部位を昨年の棘下筋部、前肢足背部とともに、新たに三角筋部とし、刺激は各部に熱刺激装置(全医療器ソフコンMXA-8000)を用いて行い、腱板血流をレーザートップラー血流計(Advance社ALF-2100)の針型プローブを用いて測定した。 この結果、足背部の刺激では腱板血流・平均血圧とも刺激中に一過性の有意な増加反応を認めた。棘下筋部の刺激では、刺激中から刺激後にかけて有意な血流の増加反応を認めたが、血圧には有意な変化を認めなかった。三角筋部刺激では、刺激中から刺激後にかけて血流の増加傾向を示したが、血圧とともに有意な変化ではなかった。血流増加反応の出現頻度は、三角筋部の刺激が他の部に比して低かった。血流増加の程度は、棘下筋部、足背部、三角筋部の順に大きかった。このため腱板の近傍であっても、棘下筋と三角筋では刺激による腱板血流の反応が異なる可能性がある。 以上の成果は、肩関節障害の物理療法において刺激部位を選択するための根拠の一つになるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体表への熱刺激による腱板血流変化について明らかにすることができ、一定の成果を挙げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年である平成27年度は、さらに追加実験を行うとともに、本研究成果を総括する。
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Causes of Carryover |
実験に係る物品を効率的に利用したこと、研究者分担者が参加した学会が近郊地であったため旅費として計上しなかったこと等によって費用を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加実験に係る物品の購入、実験や学会参加の旅費、情報収集、論文作成等の費用として使用する。
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