2015 Fiscal Year Annual Research Report
リハ医療における「医療の質」を決定する要因分析:P4P指標の妥当性の検証
Project/Area Number |
25350659
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
鄭 丞媛 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年社会科学研究部, 研究員 (50553062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 医療の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では2008年から質に基づく報酬支払(Pay for Performance)が回復期リハビリテーション病棟に導入されて以降,医療の質の評価に対する社会的関心は高まってきた(Jeong,2014).しかし,長年,日本では大規模データベースが存在していなかったため,病院間の医療の質が同じであるか,そうでないかを確認する術はなかった. そこで,本研究では2008年に開発されたリハビリテーション患者データバンク(現,リハビリテーション患者データベース(JARD-DB))のデータを用い,回復期リハ病棟の入院患者 の治療成績の評価結果に着目し,それに影響を与える交絡因子の影響の程度と,ADLなどリハビリテーションのアウトカム指標の信頼性や妥当性の検討を行った.入院時の患者の機能状態から退院時の機能的自立度(FIM)を予測し(Jeong,2015),退院時のFIMの値と比較することで医療の質を測定した. その結果,医療提供における構造的な面では,リハ専門医の配置,スタッフの充実度が医療の質に影響していた.プロセス面では,訓練時間以外の自主訓練や病棟スタッフによる訓練(白石,2015),入院1日目からの早期リハ開始(松本,2015),栄養改善の介入(吉村,2015)など退院時FIMに影響を与える ことが示唆された.他方で,PT,OT,STによる訓練は多くの病院で算定上限数に近い量を提供しており,病院間に訓練量の差は見られなかった.プロセス面での医療提供のやり方をベンチマークすることが医療の質の底上げにつながる可能が示唆された(Jeong,2016投稿中).
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Research Products
(4 results)