2015 Fiscal Year Research-status Report
体育授業における教師の実践的力量を高める動画アノテーションシステムの開発
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25350737
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
西原 康行 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (50339959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝至 岐阜女子大学, その他の研究科, 教授 (20018823)
米村 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20403769)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教師教育 / 動画アノテーション / 協調 / 授業改善 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者がこれまで行なってきた暗黙知研究を拠所として、【課題1】小学校教師が体育授業の協調的授業改善を図れる動画アノテーションシステムを開発するとともに、【課題2】このシステムを教師の実践的力量を高めるアクションリサーチに組み入れて、日常的に教師が取り組みやすい体育の授業改善方法を確立することを目的としている。1年目は、動画アノテーションシステムのソフトを開発した。システムの開発は、1)動画を投稿する授業者が簡易に投稿できるようにする、2)どのVTR画像(教師の視点VTR、授業空間全体のVTR、あるいは両方の組み合わせ)が授業の課題箇所・課題関連場面・改善案を明確化できるのか、3)どのような発言フレームやボタンの設計が授業の課題箇所・課題関連場面・改善案を明確化できるか、という3点に着目して行なった。2年目は、動画アノテーションシステムを使った協調的授業改善に参加する教師の実態からシステムの特徴と限界を明らかにした【課題1から2へ】。授業を観る眼を持った体育部の教師・授業を観る眼を持った他の教科部会の教師・若手の体育部の教師など、様々な教師の属性で動画アノテーションシステムによる授業改善がどのように機能するかを明らかにした。3年目は、動画アノテーションシステムを導入して教員の思考の変容を明らかにした。特に実践を行なった一人の教師に着目して、動画アノテーションに対するリテラシーや思考の変容を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動画アノテーションシステムの開発と、そのシステムを使った協調的授業改善の内容や効果を明らかにして、最終的な授業者の思考の変容まで明らかにできた点で、当初予定通りに計画が進行している。ただし、動画アノテーションシステムの開発に時間がかかったことから、全ての工程が半年程度遅れており、最終的な報告書作成(論文作成)に至っていない点で、おおむね順調に進展していると評価した。動画アノテーションシステムは、授業者の使い勝手を優先したが、さまざまな機能をつけてしまったため、改良に時間を要した。また、授業者と熟達教師がアノテーションを加えていく際に、期限を設けていなかったことも予定の工程を遅らせてしまった理由である。しかしながら、「いつでもアノテーションを加えることができる」ということが本研究では重要な条件であることから、時間をかけてアノテーションを加えていったことは、報告書及び論文に反映している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定では、平成27年度で完結する研究計画としていたが、1年延長した理由は進捗状況の通りである。そのため、最終年度となる今年度は、昨年度までの結果を報告書としてまとめるとともに論文として公表する。また、1年延長したことにより、時間的余裕ができたことから、動画アノテーションシステムを使用する対象授業者を増やして、汎用性の検討を加えていくとともに、汎用性の可能性についても論文として公表する。
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Causes of Carryover |
動画アノテーションシステムの開発に時間がかかり、その後の研究の工程が遅れてしまったため(約半年の遅れ)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
動画アノテーションシステムの汎用性を試みるとともに、最終研究報告としての学会発表と報告書の作成、論文の作成を予定している
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