2015 Fiscal Year Annual Research Report
運動によって生じる酸化ストレスにコエンザイムQ10は有効か
Project/Area Number |
25350811
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
今井 一 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30193650)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ヒト血清アルブミン / 酸化還元状態 / コエンザイムQ10 |
Outline of Annual Research Achievements |
繰り返しの運動負荷により酸化ストレスが発生するようなスポーツ強化合宿(剣道強化合宿)を対象にコエンザイムQ10摂取群と非摂取群(プラセボ群)の2群に分け,二重盲検法によりコエンザイムQ10の抗酸化力についてヒト血清アルブミンの酸化・還元状態から検討を行った。25年度には剣道強化合宿開始一週間前からコエンザイムQ10,プラセボ剤を摂取し,一週間前,合宿前,合宿後の3回採血を実施し,分析を行った。還元型アルブミンの割合は合宿前と比べ合宿後は有意に減少したが,両群間に有意な差はみらなかった。26年度には同様の強化合宿を行い,コエンザイムQ10の摂取量を変えて二重盲検法を用いず実施した。また,新たに唾液アミラーゼ,加速度脈波の測定を行った。その結果,前回と同様の傾向がみられた。コエンザイムQ10が抗酸化物質として認められていることから,要因として抗酸化物質の水溶性及び脂溶性抗酸化因子による抗酸化作用の違いが推測された。つまり,ヒト血清アルブミンの酸化・還元状態は水溶性の抗酸化作用の指標であることから,コエンザイムQ10は水溶性では抗酸化作用を示さないことが示唆された。合宿前の自律神経評価値(LF/HF),唾液アミラーゼ活性値の結果から1週間のコエンザイムQ10の摂取が自律神経バランスと精神的ストレスに対して良い影響を与えた可能性が示唆された。
|