2014 Fiscal Year Research-status Report
教職員に対する客観的健康評価と疾病予防システムの構築
Project/Area Number |
25350866
|
Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
大川 尚子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70369685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
吉田 俊子 宮城大学, 看護学部, 教授 (60325933)
平田 まり 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90173244)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 教職員 / 疲労 / 自律神経機能評価 / 睡眠・覚醒リズム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 学校教職員の疲労病態を調査し、疾病予防プログラムの構築に活用できる疲労の客観的な特徴を明らかにする。 【対象及び方法】 疲労調査を希望した兵庫県A市教職員122名(男性59名、女性63名、年齢38.8±11.0歳)を対象とした。解析は、大阪府B市の学校教職員149名(男性56名、女性93名、年齢41.0±13.3歳)、関西在住の健常者53名(男性25名、女性28名、年齢40.1±5.1歳)の結果と比較した。調査は、問診票を用いた自覚症状調査とともに、自律神経機能評価、睡眠・覚醒リズム解析を実施し、A市教職員をB市教職員、健常者と比較検討した。 【結果】 自覚症状調査ではA市教職員は健常者と比較して身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労尺度のすべてが有意に上昇しており、強い心身の疲労を自覚していることが明らかになった。睡眠・覚醒リズム解析では居眠り回数の増加が認められ、自律神経機能解析でも、A市教職員は交感神経系の相対的な過緊張状態がみとめられ、学校という職場環境ストレスに伴う自律神経系の異常が自覚的な心身の疲労と結びついていることが示唆された。 【考察】 メンタルへルス障害での休職率が低い地域のA市教職員でも、休職率が高い地域の教職員と同様、学校という職場環境ストレスが、自律神経系の異常と自覚的な心身の激しい疲労の誘因となっている可能性が明らかになってきた。現状では、メンタルヘルス障害に陥るリスクが高いと思われ、今後、継続して客観的な評価を行うことにより、疾病予防に向けての支援を行うことが望ましい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2014年度は、休職率が低い地域(兵庫県B市)と高い地域(大阪府A市)の教職員を対象に調査を実施することができた。また検査を受けた教職員を対象に、学校別にメンタルヘルスの講習会を開催し、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度、メンタルヘルス障害での休職率が低い地域の教職員を調査したところ、休職率が高い地域の教職員と同様の結果であったことから、休職率にかかわらず、学校という職場環境が大きなストレスとなっている可能性が考えられる。今後、どのような客観的な変化が教職員のストレスのリスクファクターになっているのかなどについて調査を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
調査報告書を発送する経費を、教育委員会に依頼し市内の逓送便をお借りして発送したため次年度使用額が生じました。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、調査報告書を発送する経費として使用したい。
|