2015 Fiscal Year Annual Research Report
教職員に対する客観的健康評価と疾病予防システムの構築
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25350866
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
大川 尚子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (70369685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
吉田 俊子 宮城大学, 看護学部, 教授 (60325933)
平田 まり 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90173244)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教職員 / 健康評価 / 疲労 / 睡眠覚醒リズム評価 / 自律神経機能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校教職員を対象に問診票を用いて主観的な自覚症状調査を行い、疾病予防の目的で、自律神経機能解析、睡眠・覚醒リズムの解析を用いて健康状態を客観的に評価した。 自覚症状調査結果では、昨年度と同様、教職員は健常者と比較して身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労の全項目が上昇しており、慢性的な心身の疲労があることが確認された。また、客観的な疲労指標である自律神経機能解析でも、教職員は健常者と比較して相対的な交感神経機能の亢進状態にあることも明らかになった。このような自律神経系のバランス異常は、覚醒時の活動量の低下や、入眠困難、中途覚醒などの睡眠異常と結びついている可能性が考えられる。そこで、ライフ顕微鏡を用いて客観的に睡眠・覚醒リズムの解析を行ったところ、健常者と比較して教職員は、昨年度同様、居眠り回数が有意に増加していることが判明したが、睡眠効率は増加し、中途覚醒回数も減少していた。 多くの教職員は、自覚的な疲労感とともに、自律神経機能異常、居眠り回数の低下という疲弊した状態で勤務している可能性が高い。教職員では、相対的な交感神経系の過緊張が続いていると入眠困難や睡眠効率の低下などの睡眠異常につながり、疲労が遷延する要因となるリスクが高く、注意が必要である。慢性的な疲労や自律神経機能異常、居眠り回数の増加がみられたことは、メンタルヘルス障害や、心疾患、脳血管障害などの身体疾患の発症におけるリスク要因となる可能性が考えられ、経時的な観察と共に、体調不良が続く場合は適切な介入を行う必要がある。今後も引き続き、疲労を客観的に評価できるいくつかの指標を用いて経時的な変化を踏まえた総合評価を行い、これらを組み合わせた客観的健康評価によるメンタルヘルス疾病予防プログラムを実施してゆくことが望ましいと考える。
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Research Products
(3 results)