2015 Fiscal Year Annual Research Report
父親の養育性と役割取得を促す発達教育プログラムの開発
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25350953
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
寺見 陽子 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (20163925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 憲治 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (00122284)
竹元 恵子 四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (50530599)
及川 裕子 人間総合科学大学, 保健医療学部, 教授 (90289934)
伊藤 篤 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20223133)
松島 京 近大姫路大学, 教育学部, 准教授 (20425028)
寺村 ゆかの 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 研究員 (90531690)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 父親の安定的愛着 / 父親自身の母親との良好な関係 / 父親自身の父親との良好な関係 / 子ども好き / 育児への自信 / 育児不全感 / 父親のポジティブな育児行動 / 父親の明確な役割意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アンケート調査による父親の家事・育児参加の規定要因の因子構造分析、インタビュー調査による因子構造の質的分析、父親支援プログラムの妥当性と実践の成果、ワークブックの効果の検証を行った。 アンケート調査分析からは、父親自身の親との良好な関係が父親の養育性(子ども好き、育児への自信)に関連し、それを媒介変数として親役割に影響を与え、さらに父親自身の親との良好な関係は父親の安定的愛着、育児への自信、夫婦関係に関連し、それらが媒介変数となって育児行動に影響を与えていた。インタビューによつ質的分析では、子どもとの関わりは幼少期に年少の子どもと遊んだ経験,自分の父親との遊び経験が影響していた。また、父親としての使命感、子どもとの興味の共有、妻との関係性が,家事・育児参加の動機付けや取及び育児行動に関連し、父としての自覚や自分自身の在り方を変化させていた。子どもとの関係は、父親の成育経験を背景に、自身の子どもとのかかわりを通して変容していくのではないか、父親の戸惑いは子どもの性と関連するのではないかということが示唆された。「育児に自信がある」と回答した被験者の語りの内容からは、幼少期に子どもとの関わり経験や母親や父親によく遊んでもらった経験があり、中高時代にはクラブに熱中し、キャプテンとして調整役を務めていた。仕事熱心な父親に誇りを感じ、自分は父親として経済的基盤、健康、責任感、育児・仕事・家事のバランス・社会人としてしっかりした子どもを育てるといった明確な意識を持っていた。つまり、成育過程での親からの養育経験や熱中経験が、対人関係のとり方、子ども好き・育児への自信、良好な夫婦関係と関連し、育児に向かう態度や明確な親役割意識、協力的な育児行動の遂行に繋がっているのではないかと推察された。また、妻の理解や身近な育児サポートの有無も育児行動や自信に関連するのではないかと思われた。
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Research Products
(5 results)