2016 Fiscal Year Research-status Report
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25351001
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
乾 幸二 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 部長 (70262996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元村 英史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10324534)
西原 真理 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60380325) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 介在細胞 / 微小回路 / 脳磁図 |
Outline of Annual Research Achievements |
聴覚変化関連脳活動を指標としたプレパルス抑制の時間的(プレパルスーテスト間隔)挙動を検討した結果、10~30ms、40~60ms、500~700msの異なる機序による抑制が関与することが明らかになりました(Inui et al. PLOS ONE, 2016)。長潜時抑制について、臨床応用するための最適パラダイム確立に向けた検討を行い、同一変化刺激による抑制観察が最も効果的に抑制機能を評価できることを見出しました(Takeuchi et al. 投稿中)。この方法によれば、長潜時抑制はおよそ8分の計測となります。短潜時抑制については、GABA受容体の関与を明らかにするために、ジアゼパムとバクロフェンの効果を調べました。GABA-A受容器のアロステリック調整剤であるジアゼパムは、10~20msの抑制を有意に増強しました。GABA-B受容器刺激剤であるバクロフェンは、40~50msの抑制を減少されました。これは、シナプス前の自己受容器によるものと考えられました。以上の結果より、変化関連脳活動のプレパルス抑制には介在細胞が関与すること、少なくとも3種類の異なる細胞の機能を観察できること、GABA-AおよびGABA-B受容体それぞれの機能を評価できることが明らかとなり、臨床応用の可能性が十分に考えられる成果となっています(Inui et al. 投稿中)。引き続いて、短潜時抑制の最適パラダイム確立に向けた検討を進めています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の投稿がやや遅れた他は、概ね順調に進み、期間内に臨床検査のための最適パラダイムが決定できるものと思われます。early, late, very lateの3種の抑制機序を、まとめてできるだけ短時間で検査する方法です。
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Strategy for Future Research Activity |
最適パラダイムが決定したら、臨床検査としての使用に向けたテストーリテスト再現性の検討と、繰り返し計測による効果(いわゆるhabituationのような効果)についての検討を加えたいと考えています。
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Causes of Carryover |
一部の実験に追加データが必要となり、投稿・出版が遅れました。遅れていたもののうち2編は投稿中であり、その成果をもとにした続きの研究は2編が投稿準備中です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間内に、予定しているすべての論文を投稿・出版まで完了できる見込みです。
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Research Products
(2 results)