2014 Fiscal Year Research-status Report
ニューディール政策のFSA写真プロジェクトにおける〈貧困〉と〈被災〉の表象
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25370191
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹中 悠美 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (90599937)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドキュメンタリー / 写真史 / アメリカ美術 / フォトジャーナリズム / 文化政策 / ニューディール期 / 国際文化交流 / 貧困表象 |
Outline of Annual Research Achievements |
〈調査〉 FSA写真に関する研究調査:2014年8月にワシントンD.C.のアメリカ議会図書館で The Farm Security Administration/Office of War Information Photo Collectionとカリフォルニア州オークランド美術館の Dorothea Lange ArchiveでFSA写真のオリジナルプリント、ネガ、その他資料の保管方法と保存状態およびアーカイヴ公開の状況について調査を行った。併せてワシントンD.C.とサンフランシスコ周辺の美術館でアメリカ美術を中心とした美術館のコレクションとその展示方法を調査した。 その他、大恐慌時のアメリカ文学作品や災害表象、また1920年代に渡米して写真家として活躍していた女性写真家山沢栄子と」ドキュメンタリー写真に関する資料を収集し、調査した。 〈発表〉「災害のランドスケープ ─1920-30年代の日本とアメリカ─,竹中悠美,第5回「風景のイメージとその人類学的諸相」研究例会,立命館大学国際言語文化研究所重点研究プログラム「「風景のイメージとその人類学的諸相」研究会,立命館大学衣笠キャンパス学而館,2015/01/09 「1930年代アメリカの災害表象における文学的救済と写真的呵責」,竹中悠美,文芸学研究会第57回研究発表会,文芸学研究会,立命館大学朱雀キャンパス,2015/02/21
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度中に行えなかったアメリカでの現地調査を26年度に遂行できたその成果が大きい。加えて、近年の災害表象・貧困表象についての研究からおおいに刺激を受けて前進している。論文も執筆し、出版者に入稿したが、収載予定の論集の発刊が予想外に遅れており、研究発表に至っていないのが残念である。その分も含めて本年度に発表できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の27年度は、再度、渡米し、カリフォルニアでの大恐慌期のダストボウル難民用のキャンプ跡やFSA写真家のFSA後のテーマとなった日系人収容所やその記念館も調査し、調査の仕上げを行いたい。 研究成果の発表として、いくつかの紀要と国際版学会誌への投稿が予定されている。さらに2016年に韓国ソウルで開催されるICA国際美学会議での発表も視野に入れている。また本研究の成果を単著として出版する計画が進んでおり、その具体的な内容なども検討していく。
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Causes of Carryover |
26年度未使用額287,283円の発生の要因は初年度に購入予定として予算に組んでいた高額のマイクロフィルム資料とその閲覧機器が購入不要となったことから25年度未使用額737,548円が発生したことに起因しており、その分を旅費(リサーチアシスタントの旅費を含む)や文献資料や視覚資料の収集にで使用したことによって、全体としての未使用額は着実に減少している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は最終調査の旅費と成果発表のための旅費を中心に使用する予定であるが、その他、新資料の収集にも充てる。
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Research Products
(2 results)