2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370340
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大宮 勘一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (40233267)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ドイツ文学 / 文化史 / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、研究最終年度として大別三つの研究作業を行った。第一は、「情動」の技術的変容に関わる表現事例を文学作品に求め考察することであり、とりわけゲーテの書簡体小説『若きヴェルターの悩み』を、一方で書字メディアと感情の相互作用という観点から再検討し、他方で、報告者が感情から遊離した客観的地位を徐々に確立する過程に着目した。その成果は、当該作品の翻訳出版というかたちをとり、これに付した解説に上記の論点を詳述した。ゲーテおよび『若きヴェルターの悩み』については、他に幾つかの啓蒙的小論を寄与し、さらに10月17日の「ゲーテ自然科学の集い」例会において、ゲーテとクライストの情動論の差異に関する講演を行った。第二は、正義論における情動の役割に関する論文執筆である。これは日本独文学会機関誌『ドイツ文学』第152号(2016年4月刊行)に「配分か交換か」と題し寄せた論文において詳述した。さらに第三に、7月24日より8月22日まで、ベルリン自由大学に客員教授として研究滞在し、資料収集、研究交流を行うことができた。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] ゲーテとクライスト2015
Author(s)
大宮勘一郎
Organizer
ゲーテ自然科学の集い
Place of Presentation
慶応義塾大学(東京都・港区)
Year and Date
2015-10-17 – 2015-10-17
Invited