2013 Fiscal Year Research-status Report
拡張項目応答モデルを活用した英語パフォーマンス評価に関する研究
Project/Area Number |
25370712
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
斉田 智里 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50400594)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡張項目応答モデル / 英語学力調査 / 英語CAN-DO調査 / 多値型データ / 項目応答理論 / 特異項目機能 / 2値型データ / 等化 |
Research Abstract |
本研究は、英語教育において学習目標達成状況把握のために使用される調査データの分析方法に着目をする。本研究の目的は、英語学力調査やCAN-DO 調査のデータ解析に、学力測定に有用とされる項目応答モデルの中でも、多値型データに対応した「拡張項目応答モデル」を活用し、テストの等化や特異機能(DIF)分析を通して精緻な実態把握を試み、学習上や指導上の課題を明らかにすることである。平成25年度は、第一の研究課題「従来の項目応答モデルに対する拡張項目応答モデルの特徴と英語教育研究への適用の利点を明らかにすること」に取組んだ。 ①従来の項目応答モデルに対する拡張項目応答モデルの特徴を明らかにするために、理論的側面を整理し、英語教育で実際に適用が考えられる場面を検討した。連携研究者とともに、テスト理論と項目応答モデルコンピュータプログラム操作に関する研究会を2回行った(8月、3月)。 ②英語学力調査(大学生対象)の2値型データに項目応答モデルを適用し、4集団(専攻分野×性別)でDIF分析を行った。各領域でDIFが生じていることがわかり、指導上の留意点を指摘した。第39回全国英語教育学会北海道研究大会(8月10-11日、北星学園大学)にて口頭発表を行った。 ③英語CAN-DO調査(大学生対象)の多値型データに段階反応モデルを適用し、4集団(専攻分野×性別)及び3集団(英語熟達度別)でDIF分析を行った。国際応用言語学会2014に応募し、発表が受理された。 ④英語学習開始時期の違いが、大学入学時の英語熟達度に及ぼす影響を検討するため、英語学力調査データを英語学習開始時期(小学校低学年、高学年、中学校以降)の3集団に分けて精査し、開始時期の違いが影響を与えていると推察される英語領域があることを見出した。AsiaTEFL2013(10月26-28日、フィリピン・マニラ市)にて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成25年度の研究計画の内容はほぼ達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、交付申請書に記載した、第二から第四の研究課題に取り組み、成果を挙げていくことである。 まず、平成25年度に実施した第一の研究課題に対する研究成果を投稿論文にする。 次に、第二の研究課題「パフォーマンステストとして国立教育政策研究所の「書くことに関する調査」データを拡張項目応答モデルにより解析し、新たな知見を提供すること」、第三の研究課題「学習背景と英語力との関係や英語使用の自信度と英語力との関係解明のために拡張項目応答モデルによる解析を行うこと」、 第四の研究課題「パフォーマンステストとCAN-DO 調査の多値データを拡張項目応答モデルにより特異機能分析(DIF 分析)を行い、学習上・指導上の課題を明らかにすること」、に順次取り組んでいく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年3月のアメリカ応用言語学会(AAAL)(ポートランド、アメリカ合衆国)への参加を予定していたが、その期間が所属大学の卒業式と重なることが分かったため、参加を取りやめた。例年同時期に開かれる国際テスティング学会(LTRC)が2014年6月にアムステルダムで開催されることがわかったため、そちらの学会に参加することにした。論文校閲の謝金を予定していたが、投稿論文作成までに至らなかった。 2014年6月の国際テスティング学会(LTRC)(アムステルダム、オランダ)に参加するために使用する。投稿論文の作成を急ぎ、論文校閲の謝金として使用する。
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Research Products
(12 results)