2013 Fiscal Year Research-status Report
シティズンシップ論へのコミュニケーション学的アプローチの模索
Project/Area Number |
25370724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
藤巻 光浩 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50337523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山脇 千賀子 文教大学, 国際学部, 准教授 (40302343)
青沼 智 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (50306411)
森泉 哲 南山大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60310588)
福本 明子 愛知淑徳大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70387835)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コミュニケーション教育 / シティズンシップ教育 / 市民社会 |
Research Abstract |
日本社会が多言語・多文化・多民族化する中で、「シティズンシップ」について問い直す必要がでてきた。一方、現在のコミュニケーション教育では、シティズンシップ論を軽視している。本研究では、現代社会の多様性に応え得るコミュニケーション教育のモデルを提示しようとしている。 本年度は、研究の方向性を確認する作業を行った。12月の研究会においては外部講師を招へいし、「市民」概念の普遍性、そこで求められるコミュニケーション教育の在り方を確認した。本研究の方向性を導くのに十分であった(本研究会の詳細な報告は、藤巻光浩「シティズンシップ教育において「コミュニケーション」が果たす役割(1)~椎野講演を振り返って~」CAJ中部支部ニュースレターVol.4 (2014)6-9)。 本研究チームは、各論的にいくつかの問題系を網羅し、研究を進めていく。初年度は、各自が調査に着手し始めた。藤巻は、まず、コミュニケーション教育が市民教育であることを提示した論文を学会誌に掲載(「これからの市民社会とレトリック教育」『スピーチコミュニケーション教育』26(2013):49-56)。また、北海道の小学校における博物館の利用方法に焦点を当て、市民意識形成のあり方を調査し始めた。山脇は、日本(沖縄を含む)とペルー・ブラジルの間を移動する人々にとっての教育問題を分析するために、当事者が書き残した日記の分析および当事者・関係者への面接調査を行ってきた。その結果、宗教と教育の関わりについての分析をより深める必要性を感じている。福本は、「M.サンデルの熟議とコミュニケーション」について研究し始め、対話としてのコミュニケーションのあり方について検討中。青沼は、プレゼンテーション技術の流行を手掛かりに、プレゼンテーション技術がリアルワールドと関わる接点を調査中で、2014年6月に口頭報告する予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究チーム内における方向性の確認を一番大きな目標に据えていたが、研究会を行い、意見交換を行ったりできたため、その目標はほぼ達成できたと判断している。また、各自の研究テーマも、シティズンシップ教育とコミュニケーション教育の在り方に関して焦点があり、ほぼ研究の報告性はメンバーの間で共有できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策(2014年度)に関しては、当初の予定では各自の試論提示の時期となっている。その目的を達成するために、三つほど方策を考えている。(1)研究の進捗状況を報告し合い、試論を相互にインフォーマルに報告するための会合を持ち、それぞれの研究に対してコメントをし合う機会を設けたい。(2)学会のパネルなどを利用し、報告の準備ができた研究から口頭報告を行い、より精緻な試論の構築を図りたい。(3)専門家を招へいし、研究会を設け、各自の試論を収斂させる機会を設ける予定である。以上、三つの方策により、試論提示期としての第二年目を送る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者・藤巻が校務で多忙となり、北海道での調査が一回に終わったことが主な理由である。 2014年度は、試論提示期ということで、学会での口頭報告を念頭においている。学会への出張費、または調査費に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)