2014 Fiscal Year Research-status Report
オスマン朝アジア境域のフロンティア社会―アナトリア南東部の地域史の解明を目指して
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25370825
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
齋藤 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (90432046)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トルコ / アナトリア南東部 / オスマン朝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。夏期にブルガリアとトルコ、冬期にギリシアとトルコに出張し、史跡調査と聞き取り調査、さらに資料調査を行った。8月のトルコ東部・ヒザン地方での調査では、城塞・墓地・隊商宿・教会・聖者廟等の史跡調査に加えて、古い村落や夏営地を回って聞き取りを行った。さらに、研究協力者であるユズンジュユル大学准教授ハサン・チチェキと現地調査時の課題点や来年度の調査計画等について打ち合わせをした。9月にはブルガリア・ソフィアに所在する国立図書館でアナトリア南東部の近世以降の歴史にかかわる資料調査を行った。さらに、ブルガリアで刊行されたオスマン文書史料に関する文献を収集した。引き続き、トルコ・イスタンブルに所在する首相府オスマン文書館やイスラーム研究センター附属図書館などでも資料調査を行った。2月には「アレヴィー/ベクタシ研究会」の運営に携わるとともに、コメンテーターとして参加した。3月にはイスタンブルの首相府オスマン文書館・スレイマニエ図書館・イスラーム研究センター附属図書館やテッサロニキのマケドニア歴史文書館などで資料収集を行った。イスタンブルでは「芸術・科学協会」主催のエピグラフィー・セミナーに参加し、オスマン朝期に多数残された碑文の読解方法を学ぶととともに、碑文研究のあり方について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はおもに現地調査と資料収集を行った。ヒザン地方での調査はおおむね順調に遂行し、これに加えて二度にわたる資料収集を行うことができた。よって着実に研究を進展させたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も継続して現地調査を実施するほか、文書館や図書館等で資料収集を行う予定である。収集した資料の読解と分析もすすめる。
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