2015 Fiscal Year Annual Research Report
新植民地主義的世界史像の再検討:イギリス開発援助政策と脱植民地化の史的研究
Project/Area Number |
25370878
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
前川 一郎 創価大学, 教養学部, 教授 (10401431)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イギリス史 / 植民地主義 / 脱植民地化 / 開発援助 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、旧植民地が独立後も植民地主義的従属関係を強いられたとみる世界史理解――新植民地主義的世界史像――は、近年の研究成果や、新たに公開された一次資料に照らして実証に耐えないとの認識に立ち、かつての帝国の中心・周縁関係が独立後にどのように変遷したのか、その実態を明らかにすることにある。具体的には、典型的なイギリス植民地として発展し、独立後も新植民地主義に侵食されたとされたといわれる東アフリカを取り上げる。旧宗主国イギリスの影響力は、じっさいにはきわめて限られており、独立期アフリカ諸国の自立性を阻むものではなかった。本研究は、虚心坦懐に史料を検証し、脱植民地化の基本的事実を解明するなかで、戦後世界の史的特質を考察する試みである。 以上の研究目的のもとで、平成27年度は、これまでの研究を総括として、世界経済史会議(WEHC2015)にパネル "Africa in an Era of Decolonization"を組織して、研究成果を広く問うた(2015年8月)。また、The Journal of Imperial and Commonwealth Historyに論文 "Neo-colonialism reconsidered'を発表した(2015年6月)。
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