2016 Fiscal Year Annual Research Report
The reach of predation theory in the regulation of exclusionary pricing conduct
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25380068
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中川 寛子 北海道大学, 法学研究科, 教授 (10301863)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 排除行為 / 略奪型排除 / RRC型排除 / リベート / 垂直制限 / 選択的流通制度 / E-commerce / プラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、排除行為の人為性判断基準についての考察を総括的に進めるとともに、新たな研究課題の発見に至った。 平成27年度に行ったRRC(特にRRR)類型に関する研究は判例評釈としてまとめた。また、占有率リベートについては、その一部が公正取引委員会競争政策研究センターの「バンドル・ディスカウントに関する独占禁止法上の論点」への協力として反映されている。 バンドルディスカウントについては、Discount Attribution Testを用いる限りは、価格費用比較基準等が重要性を持つ。しかし、その反競争効果発生メカニズムは、略奪型として説明できる側面もあるが、抱き合わせ・排他条件付き取引のそれによるべき側面もある。包括料金型の排除行為もRRR型として分類されるが略奪価格としての側面も持つ。近年新たに排除行為と考えられる類型は、複合的な側面を有するものが多く、複数の基準を用いて競争上の効果を説明することが適確な解決につながると考えている。このように略奪型・RRC型の両者を研究することにより、略奪価格基準の射程が一定程度明確になった。 また、研究を進めるにつれ、今日の流通において重要性を著しく増したE-commerceや、取引を介在するプラットフォームの排除行為等についての研究を行う必要を強く感じるに至った。11月にフランス・パリ西大学で開催された国際シンポジウムにおいて、それらへの日本法適用について報告すると共に、欧米中の適用可能性について各国研究者と議論したことは非常に有益であった。今後、E-commerceやプラットフォームについて、実態理解を進めたい。その第一歩としてE-commerceとEUの選択的流通制度にかかる司法判断を紹介するとともに日本法の判例の再定位を試みた。
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Research Products
(6 results)