2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
中田 邦博 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (00222414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶌 英弘 京都産業大学, 法務研究科, 教授 (70216646)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 契約法 / 国際研究者交流 ドイツ / EU法 / 手続法 / ヨーロッパ法 / 約款規制 / ドイツ法 |
Research Abstract |
本研究の計画に従って、ドイツ契約法の現代化の展開過程を分析する作業をおなった。その際、必要な文献を蒐集した。世界的動向やEU法の影響を見据えながら消費者法の私法化現象を批判的に検討した。次に、契約法の外郭的秩序となる不正競争防止法の領域との関連に留意して、その契約法への影響を解明する。さらに日本法への示唆を得る。 以上の目的を達成するための具体的作業を行った。第1に、ドイツの契約法の動向、とりわけ私法的規制の原理論レベルとその具体的内容分析。その際、民法における個人保護の射程と消費者保護の必要性との関係に着目した。とくに、フォルナゼーア主任研究員(マックスプランク研究所)を招聘し、ドイツの契約規制(強行的契約法)の問題点を検討するための研究会を行った。この成果については発表する予定である。関係して、消費者概念について比較法的な検討を行った。第2に、不公正取引方法指令、消費者信用法指令、消費者の権利指令、ヨーロッパ共通売買法規則提案等が素材として検討を行った。第3に、ドイツ契約法の現代的展開をヨーロッパ各国および日本法の視点から検討した。内外の研究者との共同作業などにより、ドイツ契約法の展開を相対化し、日本法への示唆を得た。第4に、ドイツ契約法の現状をEU法の展開も踏まえて分析するため、ドイツやEUでの実態調査および情報収集を行った。また、海外での学会や会合において日本からの発信として研究成果を報告する機会を持った。ドイツ法・EU法の展開については、夏期に、マックス・プランク外国・国際私法研究所を拠点としてドイツに滞在し、ドイツおよびヨーロッパ各国との人的ネットワークを活かして比較法的研究調査を行った。マックス・プランク研究所において共同研究会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、ドイツ契約法に関する必要な文献を蒐集すると共に、研究会を定期的に開催することによって、ドイツ契約法の展開を分析することができた。とりわけ、夏期期間にマックスプランク研究所において、バーゼドー教授、ツィンマーマン教授、レミン教務、マグヌス教授他の契約法を専門にする研究者との情報交換を行い、当初の計画通り、研究を遂行することができた。また、EU消費者契約法についても、らいひ教授と情報交換し、その動向を的確に捉えることができた。また外国の学会および研究会に予定通り参加することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度以降においても、研究計画に従い、25年度に計画した研究作業を継続して実施する。ドイツ契約法の分析、比較法研究、国内法研究については、相互の作業を精査・検討し、包括的な研究作業としてまとめる。また、近時、わが国においても、消費者契約法の見直し、民法との役割分担が議論されており、具体的な提案が必要とされており、この点についても成果を生かして提案を行う。その際、とくに、日本の実態を踏まえることが重要であり、実務家、行政庁、消費者センターに対する意見聴取や研究発表のための研究会などを計画し、意見の交換と情報収集に努める。研究分担者・連携研究者とは、定期的に研究会を開催し、研究計画の進展を点検また確認し、それぞれの立場からの意見を交換する。海外の研究者との交流、情報交換のため、引き続き海外調査を適宜実施する。北欧法や東ヨーロッパ法に対するドイツ法の影響についてもマックスプランク研究所で知り合った研究者を通じてアプローチする。 その際、バーゼドー教授、ツィンマーマン教授との協力関係、さらに、シュミット-ケッセル教授(バイロイト大学)、シャワー教授、ベンデホルスト教授(いずれもウィーン大学)などの間で構築されている協力関係を利用し、最新の契約法研究の動向に関する情報を収集する。また、外国法の調査については、中田、高嶌を中心に現地調査を行うこととし、また連携研究者とともに各国の法規制や実態を各国の協力者の支援を得て分析・調査する。 平成25年度に行った作業の一部を雑誌等において中間的な成果として発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度においてパソコン等の電子機器についての使用を行わなかったこと、また招聘されたことによって予定された旅費を使用する必要がなかった。 パソコンなどの用品を購入すると共に、研究をより推進するために外国出張旅費として支出する予定である。
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Research Products
(10 results)