2014 Fiscal Year Research-status Report
アセアンにおける人権規範促進の実証分析ー競合、協調、共感の3つの視点から
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25380215
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
重政 公一 関西学院大学, 国際学部, 教授 (20362600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ASEAN / 人権 / ASEAN政府間人権委員会 / ASEAN人権宣言 / 市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのASEAN事務局を始めとするASEAN加盟国での調査は政府間関係者、NGOや市民社会の代表者を中心に複数回聞き取り調査を行い、オーラル・ヒストリー化に基づくベースができた。ASEANの人権規範促進で目下、最も顕著な成果は2012年に採択されたASEAN人権宣言とASEAN人権宣言実施に関するプノンペン宣言である。この事例を2014年度はオーラル・ヒストリーのデータをまとめて「ASEAN人権宣言をめぐる政治過程」というペーパーを2014年アジア政経学会全国大会で口頭報告を行った。また広島大学大学院国際協力研究科にてセミナーの依頼を受け、ASEAN's Evolving Human Rights Mechanism: from a System to a Regime?と題して行った。 こうした報告の後、修正を施し、「ASEAN人権宣言をめぐる政治過程ーAICHRと市民社会アクターとの相克」と題して神余隆博、星野俊也他編『安全保障論ー黒澤満先生古稀記念』(信山社、2015年)の一編として出版した。 主な海外調査はインドネシアにて人権NGO、ASEAN事務局での調査、元閣僚、政府の内政顧問、さらに司法人権省での聞き取り調査、資料収集およびミャンマーでの第9回ASEAN市民社会会議に出席した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の中間年ということもあり、口頭発表、書籍の出版という一連の成果報告を出した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を更に深化させるために社会学的知見を導入し、共感と人権規範の推進をするとともにインドネシア、マレーシア、カンボジア、ミャンマー、フィリピンで引き続き現地調査を行う。ここまでで得られた調査結果(先のASEAN人権宣言に関する研究も含めて)を単著に著すよう執筆を始めていく。
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Causes of Carryover |
海外調査の実施予定が現地で訪問し調査対象となっている人たちとの日程の調整がつかず次年度に先送りすることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は事前に用意周到に双方の都合を合わせた訪問日程を考えて海外調査を実施するように努める。
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Research Products
(4 results)