2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小島 寛之 帝京大学, 経済学部, 教授 (30328083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナイトの不確実性 / 不平等 / ジニ係数 |
Research Abstract |
平成25年度は研究計画に基づき、以下の点について研究活動を行った。 1.最小作用素から構成される選好の表現関数に関する研究:平成25年度に執筆した最小作用素(min operator)から構成される選好の表現関数についての論文を完成した。これは、Rohdeの不平等回避の選好を含んだ代表関数であり、また、Ben-PorathとGilboaのジニ係数についての選好をも表現できる代表関数であるから、本研究のテーマの中核を成す論文である。この論文は、査読付き国際的学術誌Theory and Decisionに投稿し、12月に採択された。 2. 協力ゲームにおける特性関数のメビウス表現に関する研究:平成25年に執筆した協力ゲームにおける特性関数のメビウス表現に関する論文を完成した。これは、協力ゲームとナイト流不確実性下の意思決定とで共通に使われる特性関数に関する研究である。この研究では、特定の基底たちに対するメビウス係数が0になる条件、及び、非負になる条件を導くものである。この論文で得た定理によって、Ben-PorathとGilboaのジニ係数についての選好をショケ積分によって特徴づけることができる。本論文は、査読付き国際的学術誌に投稿され、改訂要求が届き、再投稿を行い、現在審査中である。 3.ナイト流不確実性下での情報の改訂の研究:不平等に関する経済主体の選好においては、不確実性の問題は重要である。それは、通常の確率的不確実性ではなく、ナイトの意味での不確実性であると考えられる。その際、入手された情報でどのような信念の改訂(updating)が生じるかは難しい問題であり、まだ定番の研究がない状況である。本研究では、この問題を扱い、現在、ナイト流不確実性下での情報改訂の公理化を構築中である。26年度中にはこの論文を完成し、査読付き国際的学術誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完成して査読付き国際的学術誌に投稿し、既に採択された論文が一本。完成して査読付き国際的学術誌に投稿し、改訂要求を受けて再投稿している論文が一本。研究は完成し、投稿準備中の論文が一本。アイデアを得て、論文化を控えている論文が二本あることから、そのように自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は研究計画に従って、まず、投稿準備中の論文を完成し、投稿する。また、アイデアを得ている二本の論文を具体的に論文化し、投稿準備を行う。さらには、今後二年の計画として、本研究によって最も重要となるジョン・ロールズのマックスミン原理の公理化の着想を固める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、コンピューター、数値計算ソフトの購入を予定していたが、次年度に購入した方が研究の推進上、より相応しいと判断し、無理な執行は回避した。 3年間の研究プロジェクトを計画通り推進するため、処理能力の高いコンピュータ-、数値計算ソフトを購入する計画である。
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Research Products
(3 results)