2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380239
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小島 寛之 帝京大学, 経済学部, 教授 (30328083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナイトの不確実性 / 不平等 / ジニ係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究計画に基づき、以下の点につき研究を行った。 1. 協力ゲームにおける特性関数のメビウス表現に関する研究:平成25年度から執筆し、改訂を続けた協力ゲームの特性関数のメビウス表現に関する論文を完成した。これは、協力ゲームとナイト的不確実性下の意思決定で共通に用いられる特性関数に関する研究である。この研究は、特定の基底たちに関するメビウス係数が0である条件と、非負である条件を導くものである。とりわけ、これは、不平等度を計測するGini係数に対して、Ben-Porath and Gilboa (1994, Journal of Economic Theory) が導入した公理を、ショケ積分によって特徴付けるものであり、本研究にとって中核を成すものの一つである。この論文は、査読付き国際的学術雑誌Mathematical Methods of Operations Researchに投稿し、8月号、vol.80に掲載された。 2. ナイト的不確実性下での情報の更新の研究:経済主体の不平等に関する選好の研究においては、不確実性の問題は重要である。経済主体は、将来の不確実性のあり方に応じて、備えをし、また社会選択に関する主観を構成する。その主観は、入手された情報によって更新される。しかも、主観やその更新は、ほとんどの場合、通常の確率的なものではなく、ある種の歪みを備えていると考えられる。従って、ナイト的不確実性での非加法的確率の更新の問題は本質的である。本研究では、この非加法的確率の更新の問題に取り組み、Dempster-Shaferの更新、Fagin-Halpernの更新に対する統一的な公理系を与えることに成功した。現在、論文の初稿を完成し、鋭意改訂中である。27年度中には投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完成して、査読付き国際的学術誌に投稿し、公刊された論文が二本。完成して、査読付き国際的学術誌に投稿準備中の論文が一本。アイデアを得て、執筆を控えている論文が三本あることから、そう評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は研究計画に従って、投稿準備中の論文を完成し、投稿する。また、論文化のアイデアを得ている三本の論文を執筆し、投稿の準備をする。とりわけ、その中の一本は、ロールズの提唱した、不平等に関するマックスミン原理を公理化する重要な論文なので、年度内での完成を目指す。
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Causes of Carryover |
当初、処理能力の高いコンピューター、数値計算ソフトの購入を計画していたが、当該年度は理論研究を中心に研究を進めたため、次年度購入とし、無理な執行は回避した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3年間の研究プロジェクトを着実に推進するため、処理能力の高いコンピューターの購入、研究報告のための旅費に支出する予定である。
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Research Products
(7 results)