2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the systematic bases of community-based integrated care in Japan
Project/Area Number |
25380355
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
猪飼 周平 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (90343334)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生活ニーズ / 自治 / ケアシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は、地域包括ケアシステムに関して、分権研究およびフィールドワークを通じて、 ①不定形かつ多様な生活ニーズへの対応、②住民自治のあり方によるケアシステムのパフォーマンスへの影響、③「自己決定の強要」の発生する条件について解明することである。これに対して、平成28年度における進捗状況は以下の通りである。①不定形かつ多様な生活ニーズへの対応:平成27年度までの調査を踏まえて、川崎市において追加調査を行った。また、文献資料に基いて、事例の収集を進めた。具体的には、岩間伸之[2008, 2014], 朝比奈ミカ他[2016], 秋山正子[2016], 社会的包摂サポートセンター[2015]などが参照された。②住民自治のあり方によるケアシステムのパフォーマンスへの影響:平成27年度までの調査を踏まえて、川崎市において追加調査を行った。また共同体を保守主義・自由主義・コミュニタリアニズムの観点から整理する作業を追加することで、住民自治のケアシステムにおける意義を政治哲学と接合させつつ検討した。③「自己決定の強要」の発生する条件:平成27年度に引き続いて、エンパワーメント概念の検討を軸に、寄り添い/伴走型支援によって、「自己決定の強要」の問題を緩和できる条件について検討を進めた。具体的には、イギリスにおけるMental Capacty Act(2005)におけるエンパワーメントおよび当事者の最大の利益を追求する他者による意思決定の代行の観点から検討を進めた。 総じて、平成28年度については、調査研究が順調に進捗したと認められる。
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Research Products
(2 results)