2014 Fiscal Year Research-status Report
サービス業における人材マネジメント・モデル構築に関する研究
Project/Area Number |
25380506
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原口 恭彦 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (20343452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福間 隆康 高知県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30410509)
山中 伸彦 立教大学, ビジネスデザイン研究科, 准教授 (40339594)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 経営学 / 統合型組織能力 / ワーク・ライフ・バランス / HRM施策 / 有意義性 / 技能多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究着手2年目であり、下記に記す研究課題1および2の解明を目的として、定性的調査と定量的調査に従事した。定性的調査は、九州地方の社会福祉系施設を対象に実施した。また、定量的調査は、西日本の社会福祉系施設職員450名を対象に行った。以下では、各研究課題に即して分析結果を記載する。 研究課題1「統合型組織能力と経営成果の関係の把握」については、統合型組織能力が経営成果に対して有意に影響を及ぼしていることが実証された。研究課題2「統合型組織能力を促進するマネジメント施策の把握」については、職務設計としての従業員に対する職務有意義性の付与と技能多様性の付与が統合型組織能力に強く影響していることが実証された。また、フィードバックについても同様の傾向が見られることが確認された。さらに、HRM施策との関連では、ワーク・ライフ・バランス施策や人材教育施策が統合型組織能力に強く影響していることが確認された。さらに雇用安定施策も同様の影響を持つことが確認された。組織行動との関連では、上司サポート、同僚サポート、組織サポートなどの各種社会的サポートが、統合型組織能力に強く影響していることが実証された。 これらの研究成果の一部は、著書としての執筆・出版や学内紀要での掲載を行ったほか、全国大会レベルの学会報告も実施した。さらに学会査読誌に掲載され、全国的な成果公表を実施した。 また、本年度後半には、次年度着手予定の海外比較に向けた海外比較調査も実施した。海外比較調査結果の一部は、すでに著書として執筆済みである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成ならびに研究課題の解明に向けた理論的研究は既に完了している。さらに、実証に向けた調査の一部も終了し、最終的な調査である大規模定量調査も、実施直前の状況にある。これらのことから、研究進捗状況は、当初の計画よりも順調に進展しており、研究期間内に全ての研究が完了すると想定される。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更、研究を遂行する上での課題等は特に存在しない。 今後の研究の推進方策としては、今年度に実施した調査結果をもとに、更に詳細な成果報告を行う予定である。また、より規模を拡大した定量的調査の実施に着手しており、次年度前半には調査が完了する予定である。研究課題との関連では、研究課題3「マネジメント施策と統合型組織能力に介在する事が予想される態度変数の解明」、研究課題4「サービス業独自の統合型組織能力を促進するマネジメント・モデル構築」、研究課題5の日本と海外の比較分析に着手する。本年度における各種調査より、仮説構築は完了していることから、次年度前半に実施する大規模調査により、これら研究課題の実証結果が提出される予定である。 年度後半においては、調査データの解析と成果公開に向けた査読誌の執筆、学会報告準備を行うことになる。
|
Causes of Carryover |
「規模を拡大した定量的調査の実施」が次年度研究計画の柱として設定されている。近年の景気回復状況により、データ入力・印刷代などをはじめとした各種費用が高騰しており、本研究費採択時の予算では不足する可能性が出てきた。そこで、一部を次年度使用額とすることで、各種費用の高騰に対応することとした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ入力費用、インタビュー記録費用などに充当する予定である。
|
Research Products
(7 results)