2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
中川 香代 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (30274351)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多様性 / ワーク・ライフ・バランス / 労働時間 / 人材活用 |
Research Abstract |
本研究は、多様な人材活用のための時間管理の革新的実践について、多様な人材を雇用する企業の取り組みを調査し、人材活用法、およびマネジメント手法を明らかにすることにある。研究方法は、(1)文献資料による調査研究と、(2)にアンケート・ヒヤリングによる実態調査の2つからなる。研究初年度の平成25年度は、(1)では、文献資料により、企業による多様な人材活用の管理についての先行研究、及び大企業や海外の事例を研究し、一般化や中小企業での導入の可能性を探り、(2)では、高知県内の企業を対象としたアンケートによる「多様な人材活用」に関する実態および意識、実行可能性についての定量的調査、および個別企業への訪問イタビューによる多様な人材の活用法と管理方法、実行可能性についての定性的調査である。 その成果として、米国や英国における家族ケア(とくに近年では高齢者介護)による就業継続の困難さと、それに伴う離職や不安定就労化の状況、およびこの問題に対する企業の労働時間管理の取組み情報を収集した。それらを踏まえ、高知県の企業を調査した結果、取組みに積極的なケースで、中規模企業では制度整備の充実が、小規模企業では従業員の状況の把握と柔軟な個別対応の充実といったパターンがみられること、また、介護は状況把握が十分に可能ではないこと、そのため、高齢化の進んだ高知県のような地域においては、全従業員を対象とした労働時間の1-2時間の調整可能性が就業継続の一助となり、多様な人材活用の鍵となることがわかった。 平成26年度は上記の考察を深めるとともに、四国圏内を中心にヒヤリングを実施し、地域の中小企業の多様な人材活用と労働時間管理の実態、および取組みのモデルとなる事例を収集し分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献資料により、企業による多様な人材活用の管理についての先行研究、および大企業や海外の事例を研究し、一般化や中小企業での導入の可能性を探った。それらを踏まえ、高知県内企業260社を対象に、家族ケアの課題を中心とした労働時間管理についてのアンケート調査を実施し報告書を作成し調査協力企業に配布した。また、高知県内3社を対象にヒヤリングを実施し、平成26年度の本格的なヒヤリングに向け調査内容の吟味と企業選定等、準備を整えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は先行研究を再整理し、アンケート調査結果の考察を深めたものと合わせて論文執筆する。その考察をもとに企業へのヒヤリング内容を再吟味し、四国圏内を中心に、地域の中小企業の多様な人材活用と労働時間管理の実態を調査し、労働時間管理の革新的取組みのモデルとなる事例を収集し分析する。その上で中小企業一般への適応及び課題について考察し、次年度の発表に向け準備する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケートの調査票の郵送費について重量が軽量化できたため当初予定よりも少なくて済んだ。また、アンケート結果報告書の郵送費についても、調査協力団体の高知県経営者協会発行の機関誌に調査報告を掲載し、協会を通じ協力会社に配布されることが決定したため、当初予定していた協力企業への報告書の個別郵送を、アンケート回答時に希望した企業にのみ郵送するという方法に変更することができ郵送・印刷の作業に係る物品費・謝金を節約できた。当初予定した外国文献の購入について、対象文献を電子版にて入手することができ物品費が予定より少なくて済んだ。 調査研究に関する和洋図書の充実をはかり、資料整理の効率を向上させるため、書籍と文具等の物品の購入に使用する。また、ヒヤリング調査活動の充実と資料整理の効率化をはかるための謝金支払いに使用する。
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