2014 Fiscal Year Research-status Report
東南アジア企業のイノベーション能力構築に関する実証研究
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25380559
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
植木 靖 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (40450522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 正次 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (90029918)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イノベーション / Absorptive capacity / リンケージ / 技術移転 / 知識伝播 / ASEAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業内外の情報・技術ソースが、東南アジア地場企業のイノベーション能力構築に対して、どのように寄与しているのか、企業レベルのデータを用いて実証的に明らかにすることにある。企業は、イノベーションを実現するために、人材を養成し、新しいアイデアが生まれるような組織や風土を構築する必要である。こうしたイノベーションのためのInternal capabilityは、企業内部の組織が持つ資源の活用に加えて、情報や技術を持つビジネスパートナーや大学、研究機関といった企業外組織とのリンケージ(External linkage)を活用することで獲得されるものである。
初年度の平成25年度には、外部情報を吸収するためのAbsorptive Capacityやイノベーションを創発するために必要な能力に関して検討を行った。またこれまでに行ったアンケート調査データやAHP(階層分析法)を応用するなどして、企業能力の計測を試みた。さらに、企業能力やイノベーションに影響する外部リンケージを特定するための実証分析も試みた。
平成26年度には、計量経済学的なアプローチに加えて、SEM(構造方程式モデリング)も用いて、製造業における企業能力の計測とイノベーションに関する実証分析を実施した。さらに、日系製造企業のASEANにおけるR&D活動に関する企業ヒアリングや、タイの現地研究者との協力による現地運輸企業に対する企業ヒアリングにより、製造業に関連するサービス活動のイノベーションに関する情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去に構築した東南アジア4カ国の製造企業のデータセットを用いた実証分析は、順調に進展しており、国際学会での発表機会も得られている。製造業におけるイノベーション研究をベースに、研究対象をサービス関連活動に展開していくことも研究目的のひとつであるが、これについても、タイの現地研究者の協力を得ながら着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
在ASEAN製造企業のデータ分析において、内生性(endogeneity)の問題への対応等、分析手法を工夫していく必要がある。サービス関連活動のイノベーションについては、企業インタビューを継続し、イノベーションの基礎的なメカニズムに関する理解を深めていく必要がある。タイの研究協力者からの支援を受けながら、サービス関連活動に関する定性・定量的な情報を収集し、得られた研究成果は順次国際学会等で発表していくことで、将来的な学術雑誌への投稿に備える。
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Causes of Carryover |
タイ現地研究者との共同研究費を節約できたことが主な理由。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ASEANでの現地調査や国際学会への参加、共同研究者との打ち合わせ等に使用予定。
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Research Products
(7 results)