2015 Fiscal Year Research-status Report
ブランド・リレーションシップの国際比較に関する研究
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25380572
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
菅野 佐織 駒澤大学, 経営学部, 教授 (00383373)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マーケティング / 消費者行動 / ブランド・マネジメント / ブランド・リレーションシップ / 文化 / 自己概念 / カワイイ消費 / トランジション |
Outline of Annual Research Achievements |
「ブランド・リレーションシップの国際比較に関する研究」は以下の具体的な3つの研究課題によって構成されている。それらは、(1)これまでのブランド・リレーションシップ研究について、国際比較という観点からのレビューを行い、それらの特徴や違い、共通点を明らかにし、(2)ブランド・リレーションシップの違いについての仮説を導出し、定性調査によって検証を行い、(3)ブランド・リレーションシップを測定するための共通尺度を作成し、定量調査によってその捉えられ方の国際比較を行うことである。既に(1)及び(2)の日本での定性調査を終え、現在、米国での定性調査及び(3)の研究課題に取り組んでいる。筆者は、(1)の研究課題である既存研究のレビューについて、これまでの文化心理学研究の成果からのレビューを行い、ブランド・リレーションシップの文化差に関するいくつかの仮説を導出している。現在、これらの仮説について検証するための定量調査の立案を行っている。なお、定性調査の成果として、前年度実施した日本人消費者に対する定性調査の成果を論文「トランジションとブランド・リレーションシップ~トランジションを乗り越えるブランド」(『マーケティング・ジャーナル』vol.36, No.1,2016)としてまとめている。また、本年度は、日本と米国(さらに言えば東アジアと欧米)の消費者のブランドとの関係性を取り巻く価値意識の違いの1つとして「Cuteness」(Kawaii)消費に着目し、定性調査データをもとに、日本人の自己概念(アイデンティティ)とCutenessとの関連について分析を行い、共著論文としてまとめている(ACR:アメリカ消費者行動研究学会へ投稿中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査計画の見直しが必要となったことが大きな理由である。具体的には、調査を実施するに当たり、調査対象とする製品カテゴリーの選定について見直しが必要となったこと、また、調査会社との調整に予想以上に時間がかかってしまったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、米国での定性調査を進めることと、ブランド・リレーションシップを測定するための共通尺度を作成し、定量調査によってその捉えられ方の国際比較を行うことである。今後の課題としては、調査計画に関する諸々のチェックを慎重に実施すること、そして調査会社との調整を慎重に進めることである。
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Causes of Carryover |
調査計画の見直しが生じたことが理由として挙げられる。具体的には、海外での調査を進めるにあたり、調査項目の精査および調査会社との調整に時間がかかってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
改めた調査計画を粛々と進め、成果として発表していく予定である。
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Research Products
(1 results)