2013 Fiscal Year Research-status Report
「引きこもり」の自立支援活動における相互行為の分析
Project/Area Number |
25380649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ohtsuki City College |
Principal Investigator |
岩田 夏穂 大月短期大学, その他部局等, 准教授 (70536656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西阪 仰 明治学院大学, 文学部, 教授 (80208173)
早野 薫 お茶の水女子大学, 学内共同利用施設等, 講師 (20647143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ひきこもり / 若者 / 就労支援 / 会話分析 / 面談 |
Research Abstract |
【データ収集】協力を仰いでいる若者支援のNPO法人組織との協力関係は、良好であり、現在、就労支援を受けている組織の利用者と支援者が、就職に向けてプランを立てるための面談のデータ収集を続行している。現在、13セッションのデータが収録済みで12セッションのおおまかな文字化が終了している。 【コレクション作成と分析】メンバーで分担し、次の点に注目してデータから事例コレクションを作り、分析を進めている。①沈黙の時の視線の動き ②記録ファイルの用い方とやり取りの展開の関係 ③質問-応答の連鎖 ④心配ごとの提示の開始と収束のプロセス ⑤利用者の意思決定の達成プロセス 【成果発表と情報収集】(1)上記①~⑤の分析について、現時点での分析の成果を支援組織の関係者を対象にプレゼンし、それについて議論するセッションを数回行った。就労支援の担当者から、カウンセリングで用いられる定式化されたさまざまな手法についての情報提供があった。(2)会話分析のマルチモーダル研究で著名なLorenza Mondada教授(Universitat Basel)を招いたデータセッション(分担者の西阪が主催)では、「視線」と「利用者の語りにおける支援者のトラブルの焦点化」に関する2つのデータを検討した。これらのデータセッションを通して、新たなコレクション作成につながる示唆を得た。(3)国際エスノメソドロジー・会話分析学会およびアメリカ社会学会にて、最新の会話分析に関する研究の情報収集を行った。 【支援組織との連携】この組織が支援業務を通して蓄積した情報を統計的にまとめた白書(2013)について報告を受けた。今後、会話分析による定性的分析と組み合わせてどのように研究を進めるかを探りつつ、当面は双方で各々分析を進め、適宜情報交換を行っていくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
支援施設と良好な関係のもとにデータ収集、プレゼンテーションの実施と情報交換、およびデータセッションの開催を実現できたことで、当初の本年度に掲げた目的は、ほぼ達成できていると考える。 ただし、データの収集は、予定した数のデータは収録できていない。収録が支援組織の管理のもとに行われており、また、しばしば利用者の承諾を得ることが難しい場合があるためである。しかし、一つのセッションはいずれも1時間にわたっており、それぞれ充実した内容であることから、当面の分析には問題はないと思われる。支援組織の活動に支障をきたさない範囲で、収録を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
・データ収集と分析を引き続き行う。特に、カウンセリングで定式された手法が実際の面談においてどのように用いられているか、という観点から分析を進めることを考えている。 ・支援組織に現れることがない(すなわち,家から,あるいは部屋から出ることのかなわない)人びとの「相互行為能力」をどう扱うかは、当初から検討すべき問題として考えていた。しかし、現在のデータ収集の環境からみて、支援組織に来ない人を対象としたデータの収録は、非常に困難であることから、当面は、文献や他のフィールド(福島の避難所での「引きこもり」の実態等)から関連情報を収集し、検討することを考えている。 ・今後は、国内外での成果発表および論文作成の準備と執筆に力を入れる。本年度は日本社会学会,社会言語科学会へのエントリーを予定している。また,アメリカ社会学会,国際会話分析学会,国際エスノメソドロジー・会話分析学会に参加し、会話分析の最新の研究に関する情報収集を行う予定である。
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