2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380688
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
進藤 雄三 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (00187569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 洋子 大阪市立大学, 文学研究科, 研究員 (70647833)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 死の社会学 / 死別と悲嘆 / 医療化 / 尊厳死 / 葬送儀礼 / 自殺・自死 / 水子 / 検死 |
Research Abstract |
2013年度は、1990年代以前の二つの基礎的テキスト、Carmatz, T., The Social Reality of Death, 1980とKearl, M.C., Endings: A sociology of Death and Dying, 1989 の批判的検討を通して、「死の社会学的分析」の原論部分に該当する一次草案の作成を第一の目標として設定し、およその輪郭を描く段階に達した。その成果の一端は、2014年度の国内、国際学会で報告する予定であり、報告受理の連絡をすでに受けている。 また、2013年度の第二の目標として設定した、90年代以降の「死の社会学」の基本文献の収集・整理も一定程度進展し、現在はその内容の検討・整理を進めており、同時にこれまでの収集で欠けている分野・文献の確認も進めている。現段階で確認できている点、および課題に関して言えば、A.1)葬儀関連・葬送儀礼、2)水子、3)検死・献体関係の文献がかなり希薄であること、B.1)戦争・ホロコースト、2)自殺・自死、3)死生観関係の文献のうち、社会学的文献の仕分け規準をどのように設定するのか課題がある、という点が挙げられる。 第三の目標として設定していたフィールドワークの実施が、上記二つの作業にかなりの時間を要し、まだなされていない。上記二つの作業を進めながら、インタビュー項目を含めた調査設計はある程度の目安はついているので、2014年度のうちに、少なくとも法医学・検死関係、および葬儀産業・葬送儀礼に関してのフィールドワークを終える予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度の計画の三つの目標のうち、優先度の高い二つについては概ね予定通りの進捗状況であると言えるので、第三の目標が未達成ではあるが、全体としては(2)に該当すると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、1) 死の社会学の原論部分を、文献のさらなる収集・整理過程を通して不断に検証・修正してゆくという作業と、2)社会理論・社会学理論と「死の社会学」という主題をどのように接合するのか、という二つが中心的な課題となる。同時に、関連分野へのフィールドワークの実施が前年度から積み残された課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の予算執行のうち、フィールドワーク関係の実施が達成されていない関係から、謝金および旅費関係の執行分が積み残されている。 今年度は、積み残し分をフィールド調査に使用する予定である。
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