2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380688
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
進藤 雄三 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (00187569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 洋子 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 研究員 (70647833)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 死の社会学 / 死別と悲嘆 / 医療化 / 自然死・検死 / 葬送儀礼 / 自死・自殺 / 安楽死・尊厳死・水子 / エイジング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「死の社会学」と呼びうる新たな領域に関するパイロット・スタディーたることを目指したものである。その具体的な目標は、1)「死の社会学」という包括的分野の全体像、その輪郭を確定し、2) その構成部分をなす個別の研究分野において蓄積されてきた業績を、系統的に整理すること。そして3)その整理に依拠しつつ、日本社会における「死の社会学」の現状と課題を可能なかぎり整序するとともに、4)死の社会学的分析が、近代社会・現代社会の変容といかなる関係にあり、どのような意義を持つのかを探求すること。以上の4点を設定した。 おそらく現在利用可能な文献で、現段階で最も包括的な「死」に関する百科事典文献としては、Macmillan Encyclopedia of Death and Dying 2vols. (Macmillan 2002)、Encyclopedia of Death and the Human Experience 2vols. (Sage 2009) 、コンパウクトなものとしては、Encyclopedia of Death and Dying (Routledge 2001)が挙げられる。また、これまでのところ、最も包括的かつ社会学的視点を取り込んだハンドブックとしては、Handbook of Death and Dying 2vols.(Sage 2003)が傑出している。上記の1)と2)の課題に関しては、このハンドブックと百科事典(語句の選択と、内容、整理)から描きうる輪郭を「死の社会学」の扱う最遠の極限に設定し、より限定された「死の社会学」と呼びうるテキストとつきあわせる作業を行った。 3)に関しては、文献的にはかなり制約性が強かったが、日本社会の死の社会的位相をさぐる基礎的な資料・文献はある程度そろえることができた。4)については、一定の見通しを得ることはできたが、90年代のグローバリゼーション以降の社会変容を「死の社会学」とどのように結びつけてゆくか、という点が課題として残っている
|
Research Products
(6 results)