2014 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設における福祉用具貸与に向けた基本動作能力別の福祉用具の効果検証
Project/Area Number |
25380742
|
Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
臼倉 京子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90433169)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 基本動作能力 / 福祉用具 / 介護 / 施設 / 貸与 / 車いす / 移乗 / 排泄 |
Outline of Annual Research Achievements |
介護老人保健施設に入所する要介護者の自立支援を促す上で,その個人の能力(残存能力)に応じた福祉用具の活用は重要である.在宅生活の準備として福祉用具の試用が望まれるが,福祉用具の効果は主に在宅の要介護者を対象とし,施設においては貸与の対象とはならず十分な効果は示されていない.その原因の一つに,個人の能力に応じた福祉用具選定の困難さが考えられる. そこで、これまでの研究で得た(科研20500652)、基本動作能力別の福祉用具の分類図を選定の目安(根拠)に用いることはできないかと考えた.平成25年度から3年計画で,介護老人保健施設における福祉用具貸与に向けた基本動作能力別の福祉用具の効果検証を研究課題とし,要介護者の基本動作能力別の福祉用具の使用による自立支援の効果を明らかにし,施設での福祉用具貸与の必要性を裏付けることを目的とし,研究を進めることした. 平成25年度は、施設において必要性の高い福祉用具を明らかにするともに、実証研究として施設入所者10名に対し、車いす、移乗、排泄に関する能力別の福祉用具の効果を検討し、研究の課題も見出された。それは、基本動作能力ごとの対象者を増やすこと、施設の負担を軽減し研究協力への利点を伝えること等であった。 平成26年度は、諸課題の解決を図り、協力施設を得、実証研究を行うこととした。諸課題の解決を図るために、介護分野に詳しい研究協力者を得、計画書等の修正を行った。修正点は、研究の利点として、協力施設においてはケアプランの一環として福祉用具を使用できること、利用者にとって生活の改善に向け自分に合った福祉用具を自己負担なく施設生活において使えることを示した。また、研究方法として、1週ごとに施設職員に評価を依頼するのではなく、評価の間隔を広げた。さらに、在宅生活に結びついた事例においては、在宅生活後にも評価を行うこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2年目である平成26年度は、研究に協力いただける施設をみつけ、基本動作能力ごとの対象者を増やし、能力に応じた福祉用具の効果を検証する計画であった。しかし、研究の進行は遅れた。その理由としては、1つには、平成25年度の実証研究が福祉用具の選定、変更、導入に時間を要し、平成26年度の研究計画への修正が遅れたことである。2つ目には、平成26年度は協力施設の拡大を目的に施設に依頼したが、現場の負担が大きいなど、研究の計画を修正する必要があり、研究の修正に時間を要したことである。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、4月~6月において昨年度から引き続き8名の対象者の協力を得、1月~3月において2名の対象者の協力を得、実証研究を行った。当研究は現場での実証研究のため、協力施設を得なくてはならない。現在1施設から研究への協力を得、関連職員に随時福祉用具の効果を提示し理解を得ること、評価の負担を減らすことを心がけ、対象者の生活改善及び介護負担の軽減にむけ真摯な態度で研究に打ち込むとともに、協力施設への謝金を支払うなど体制を整え、平成27年度も対象者を増やす努力をする。最終年度である平成27年度の後半は、調査結果をまとめ、学会発表や論文投稿を計画する。
|
Causes of Carryover |
平成26年度研究計画では、研究施設と対象者を拡大し、提供する福祉用具のレンタル料を見積もっていたが、研究開始時期が遅くなったこと、協力を得られた施設、及び対象者が少なかったことより、次年度の使用額が生じることとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、研究対象者をできるだけ増やし、必要な福祉用具のレンタル代、購入代、施設への謝礼を月ごとに計画的に支払う予定である。また、今年は研究分担者に協力いただき、研究費の配分を予定し、研究の円滑な進行を計画している。
|