2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of "Future image of the foster care system" in Japan - Cooperation between foster parents, facilities and administration -
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25380749
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉余子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (10389702)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 里親 / 里親支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成29年度は、里親を対象としたインタビュー調査、施設の里親支援専門相談員を対象としたインタビュー調査を実施するとともに、これまでの研究成果の総括を行った。 里親を対象としたインタビュー調査からは、本来であれば専門里親に委託されるべきである発達障害や知的障害のある子どもが、専門里親不足によって養育里親に委託されているケースが少なからずある実態、共働きの里親世帯が増える中で、これまでとは異なる支援ニーズが発生している現状、里子の実親と直接交渉している里親が一定数いる実態等が明らかになった。これらの実態を踏まえ、里親養育マニュアルやガイドラインを見直すとともに、里親類型を見直す必要性があるといえよう。 里親支援専門相談員へのインタビュー調査からは、訪問支援活動における困難、里親支援専門相談員としての業務内容の体系化・確立とそれにみあった専門性を習得できるような研修の必要性等が指摘された。また、里親支援専門相談員を専任配置していない施設も見受けられ、施設長など施設側の理解を促進するような取り組みも求められている。 4年間の調査研究を通して、日本における里親支援体制を構築していくにあたって、適切な里親子マッチング・アセスメントを行うために、里親類型の細分化と視覚化(里親レベルシステムの導入を含む)、委託後の相談支援の頻度の標準化、里子からの相談を受け付けるシステムの確立等の必要性が示唆された。
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