2013 Fiscal Year Research-status Report
知的障害者における主観的QOL及びライフプランの構築に関する研究
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25380782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
島田 博祐 明星大学, 教育学部, 教授 (40280812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 勧持 美作大学, 地域生活科学研究所, 研究員 (00090423)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | QOL(生活の質) / 生涯発達支援 / ライフキャリア / ワークキャリア / 加齢(エイジング) / 知的障害 / キャリア教育 / アセスメント |
Research Abstract |
25年度は文献収集とともに、研究目的3(キャリアプランを含む人生設計に関する調査) を中心に研究を進めた。 その一環として、主観的QOLを考える上で就労だけに限定されないキャリア教育の観点が必要と考え、生涯教育プログラム参加した知的障害者を対象に、10年後の自分を想定したライフプランに関するアンケート調査を行い実態把握を試み、日本発達障害支援システム学会第12回研究セミナー(東京学芸大学)において、「知的障害者のライフプランに関する調査(1)―生涯教育プログラム受講者を対象とした10年後の自身を想定してのアンケート調査からー」の内容で発表した。 主な結果として、将来への意見聴取に関して7割近くの者が「聞いてほしい」と回答しており、個別支援計画を策定していく上で改めてPerson-Centered Planning(本人主体の計画)の重要性が認識された。また6割以上が将来への不安を感じており、仕事に関しては加齢による影響が出たとしても働き続けられる多様な雇用形態が必要と考える。また援助者に関しては、複数の信頼できるキーパーソン・機関を持つことが必要と思われる。何故なら、悩み・不安の相談場所(多重回答)に関し、家族・親族が37名(37.0%、全調査対象者での回答割合は86%)と圧倒的で、この結果は家族の結びつきが信頼されている表れともいえるが、親が死亡した場合、他の親族との紐帯は不十分になりがちであること(島田他,2002)から、家族以外の相談対象を作っておくことが大切と思われた。10年後の希望に関しては、上位を占めた3項目中、「お金」「仕事」に関しては7割以上が実現可能性を高く考えているのに対し、1位の「恋愛結婚」は4割弱と低くなっている。同項目はライフキャリアの領域であり、この点からもキャリア教育の再考が必要と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的は以下の(1)~(4)であり、(4)は最終年度の目的に該当するので、(1)~(3)に関し進捗状況を述べる。 目的(1)中高齢知的障害者の生活満足度等を中心とした主観的(Subjective)QOL評価尺度の開発、作成、それによる調査:文献研究は若干進めたが、実証的研究は未着手。目的(2)の対象先で着手予定。目的(2)前回の助成研究時に実態把握をした一部対象者に対する10年縦断調査:先方の研究協力者とは連絡をとり協力了承済み。本年度中に着手。 目的(3)キャリアプランを含む人生設計に関する調査:成人知的障害者と一部特別支援学校で実施済、成果の一部を日本発達障害支援システム学会第12回研究セミナー(東京学芸大学)において、「知的障害者のライフプランに関する調査(1)―生涯教育プログラム受講者を対象とした10年後の自身を想定してのアンケート調査からー」の内容で発表した。特別支援学校高等部の生徒のデータも付加し、本年度9月の日本特殊教育学会第52回大会(高知大学)にて、「知的障害児者のライフキャリアプラン構築に関する研究―成人知的障害者と特別支援学校高等部生徒を対象にー」として発表予定。目的(4)上記の諸目的を包括し、知的障害者におけるQOLの重要度、機会度、努力度、達成度、将来度及全体満足度を把握することで、今後の福祉・教育施策に資する:最終年度の報告書に反映。 25年度は日本特殊教育学会第51回大会で大会準備委員長を務め、学会の統括運営に忙殺されたことで、フィールド調査の時間確保が困難であり、年度後半の目的(3)に係るアンケート調査に留まった。一方で調査対象先は確保しているので、本年度は遅れを取り戻すべく、実証的調査に着手したい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的(1):文献研究を継続するとともに、国立コロニーのぞみの園及びグループホーム、生涯学習講座などで実証的調査を予定、本年度、調査票開発が間に合わない場合は最終年度に実施検討。 研究目的(2):国立コロニーのぞみの園にて10年を経ての縦断的調査を本年度に実施予定。 研究目的(3):25年度の研究実績内容に、特別支援学校高等部の生徒のデータも付加し、本年度9月の日本特殊教育学会第52回大会(高知大学)にて、「知的障害児者のライフキャリアプラン構築に関する研究―成人知的障害者と特別支援学校高等部生徒を対象にー」として発表予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は日本特殊教育学会第51回大会で大会準備委員長を務め、学会の統括運営に忙殺されたことで、フィールド調査の時間確保が困難であり、年度後半に目的(3)に係るアンケート調査を行うに留まった。一方で調査対象先は確保しているので、本年度は遅れを取り戻すべく、実証的調査に着手したい。 研究目的(1):文献研究を継続するとともに、国立コロニーのぞみの園及びグループホーム、生涯学習講座などで実証的調査を予定、本年度、調査票開発が間に合わない場合は最終年度に実施検討。、研究目的(2):国立コロニーのぞみの園にて10年を経ての縦断的調査を本年度に実施予定、研究目的(3):25年度の研究実績内容に、特別支援学校高等部の生徒のデータも付加し、本年度9月の日本特殊教育学会第52回大会(高知大学)にて、「知的障害児者のライフキャリアプラン構築に関する研究―成人知的障害者と特別支援学校高等部生徒を対象にー」として発表予定。 本年度は上記理由により実施できなかった、研究目的(1)(2)に係るフィールドワーク調査及び郵送アンケート調査などが主となるので、旅費、研究謝金の使用額が多くなる。
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Research Products
(8 results)