2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380821
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
村田 久 環太平洋大学, 教育学部, 准教授 (80350445)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 養護ニーズの変化 / 養護問題の発生理由 / クラスター分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、社会的養護の再編にむけて、社会的養護ニーズの変化と現状を実証的に明らかにすることも目的とし、平成26年度は行政統計を用いた入所ニーズの変化に関する調査研究を実施した。 平成25年度に分析した我が国の社会的養護の変化状況を踏まえて、今後の支援体制の在り方について各種統計データにより検討した。分析の一つを以下に示す。 養護問題の発生理由の構成割合を平成9年度と平成20年度についてクラスター分析により検討した。平成9年度では4つのクラスターが析出され、平成20年度では2つのクラスターが析出された。クラスターの属性を読み解いていくと、平成9年度では‘①父母による養育不可能’、‘②父母による虐待’、‘③母の精神疾患’、‘④母による養育困難’の4つのクラスターに分かれていると捉えることができた。平成20年度では、父母の死亡や入院などの理由による‘①父母による養育が困難’なクラスターと‘②父母による虐待’を理由群とするクラスターの2つに大きく分かれていると捉えることできた。 これらのことから、平成9年度では社会的養護施設の種別で養護理由にバラつきが見られたが、平成20年度では社会的養護施設の種別での養護理由にバラつきが少なくなり、どの施設種別においても同じような養護理由(措置理由)が見られる傾向が明らかとなった。これらのことから、施設種別の区分が薄まりつつあることを提示された。 社会的養護施設の種別は養護理由の分析から見ると、その区分は曖昧になりつつあり、近年では被虐待児を対象とする施設としての役割が全体的に求められている。本来、施設の種別は虐待の類型別に設定されておらず、社会的養護の成行的な展開過程で構築されてきた特徴であることがわかる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、行政統計を用いた入所ニーズの変化に関する分析及び施設に対する量的調査を予定していた。 行政統計を用いた調査・分析は予定通りデータ収集し、分析を行うことができたが、施設への量的調査については、調査項目と質問項目の検討、調査対象施設の抽出作業までを平成26年度に終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は量的調査の実査を進めていく。同時にあ、10~15施設にヒアリング及びデルファイ調査を実施する。 施設が抱える課題について平成25年度、26年度の分析結果と照合しながら、進めていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施予定であった調査を平成27年度に後ろ倒しとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に調査を実施する。
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