2014 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるヘルスコーチングの可能性:コーチング心理学に基づく基盤の確立
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25380963
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西垣 悦代 関西医科大学, 医学部, 教授 (70156058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (60241858)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コーチング心理学 / コーチング / 認知行動コーチング / 認知行動療法 / ヘルスコーチング / 自己効力感 / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究2年目の本年は、前年度に前倒しで実施したコーチに対する調査結果の解析を行った。有効回答数478名のうち、職業コーチ195名と職務内コーチ187名を対象に分析を行い、その結果を日本社会心理学会第55回大会において発表し(コーチとはどのような人々なのか-コーチングに関するウェブ調査より)、それを発展させて論文にまとめ、「日本のコーチに対するウェブ調査:コーチの現状と展望」と題する原著論文として発表した。 同時に実施したコーチの自己効力感尺度の開発の経過は、日本心理学会第78回大会において「コーチのコンピテンシー自己効力感尺度開発の試み」として発表を行い、引き続き分析・開発作業を進めている。 心理学者へのコーチング心理学の紹介と啓蒙を目的とし、本年度も日本心理学会において「日本におけるコーチング心理学の展開」とするシンポジウムを開催した。 さらに第4回国際コーチング心理学会(ロンドン)において、「Present and future perspective of coaching and coaching psychology in Japan」とする口頭発表を行い、日本の現状を報告するとともに、欧米のコーチング心理学先進国の研究者たちとの交流を深めた。本国際学会に先立ちロンドンのCentre for Coachingで認知行動コーチングのワークショップを受講し、最新の実践スキルの習得にも努めた。また、第27回ヨーロッパ健康心理学会(インスブルック)においては、効果的なコーチング実践のためのクライアント側の要因についての基礎的研究として、ポジティブ感情とウェルビーイングとの関連に関する発表を行った。 2014年度後半は、実践的研究として、看護系学生対象にコーチング心理学を取り入れた授業を実施した。その成果は次年度に発表の予定である。また、研究最終年に向けて、コーチング心理学の学術書の出版計画を立案し、執筆を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に計画していた調査データの分析、学会発表、シンポジウム開催、国際的交流、コーチングの実践は、ほぼ計画通り遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本年度に実施した看護系学生に対するヘルスコーチングを取り入れた授業実践の効果の分析を行い、学会等で発表する。 2.現在進行中のコーチング心理学に関する学術書の出版計画を進める。 3.これまでの成果を国際学会等でも発表し、世界のコーチング心理学者との交流と情報の収集を行う。
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Causes of Carryover |
当年度の予定に当初入っていなかった札幌市内の大学でのコーチング授業のアセスメント計画が発生し、出張旅費がかさんだため、10万円の前倒し請求を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額分は次年度の研究用図書の購入および出張旅費として有効に活用する。
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Research Products
(11 results)