2014 Fiscal Year Research-status Report
地域再生における教師の役割と実践の成立条件―「地域創造型教師」の養成に向けて
Project/Area Number |
25380998
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
宮前 耕史 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (30584156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 卓 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00507171)
安井 智恵 岐阜女子大学, 家政学部, 准教授 (40440557)
平岡 俊一 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70567990)
添田 祥史 福岡大学, 人文学部, 准教授 (80531087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域創造型教師 / 地域再生 / 地域教育 / 地域教育計画 / 教師養成 / 地域づくり / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1】本研究がメインフィールドと位置付ける北海道浦幌町における地域再生の取り組みについて、「学校と地域の協働体制」の成立過程との視角から検討を行った。その結果、その成立のためには、地域の自然・文化・社会的環境といった条件が必要であることが明らかとなった。 【2】北海道浜中町をフィールドに、同町内において地域・環境教育活動を積極的に展開している町立の高等学校と環境NPOを対象にして継続的に参与観察調査を実施した。その結果、地域内で体系的な地域・環境教育を展開するためには、町行政による政策的課題としての明確な位置づけ、多様な主体を巻き込んだ推進体制の構築などが必要であることが明らかになった。 【3】サブフィールドとして隠岐島前地域を新たに設定し、隠岐島前高等学校における「高校魅力化プロジェクト」を事例とし、「学校と地域の協働体制の成立」との視角から検討を行った。その結果、「地域創造型教師」の実践の成立条件として、学校と地域を繋ぐ「地域教育コーディネーター」の必要性や、学校運営上の課題、研修プログラムの必要性等が明らかとなった。 【4】導入7年を経過する岐阜市におけるコミュニティ・スクールに関する調査を行って、学校・家庭・地域連携による取り組みの変容を明らかにした。 【5】本研究がメインフィールドと位置付ける北海道浦幌町において、地場産業産品を活用した調理体験学習を通じた持続可能な地域形成・地域マインドの形成と、消費啓発を連動させた教材開発プログラムの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【1】本研究がメインフィールドと位置付ける北海道浦幌町はじめ、北海道浜中町・隠岐島前地域・岐阜県岐阜市など、新規に開拓したいくつかのサブフィールにおいて共同研究者が個々で調査研究を進めることができた。 【2】研究主題に関する「学校と地域の協働体制」およびそれを確立するための手段としての「コミュニティ・スクール(の導入)」という新たな視点を獲得し、上記調査地において同様の観点から調査研究を進めることができた。 【3】その結果、「地域創造型教師」の実践の成立条件(「学校と地域の協働体制」の確立条件)としては、①学校側の条件としては、校長のリーダーシップや学校内における教員間の協働体制ないし同僚性の確立といった学校経営上の条件(課題)、②地域の側の条件としては、地域の自然・文化・社会的環境、や、③行政その他各種団体等、多様な主体を巻き込んだ推進体制の構築、④学校と地域を繋ぐ「地域教育コーディネーター」の存在、等が明らかとなった。 【5】環境教育学会北海道支部大会において公開シンポジウム「地域創造・環境保全と教師・学校の役割」を開催、共同研究者全員の参加のもとに情報共有・意見交換を行うことにより、「地域創造型教師」の実践の成立条件や、今後の研究課題に関する共通認識をもつことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究がメインフィールドと位置付ける北海道浦幌町における調査を継続して行うとともに、共同研究者個々人がサブフィールドにおける調査を継続することにより、「地域創造型教師」の実践の成立条件のさらなる追究に努める。 情報共有・意見交換の場として研究会を開催すると同時に、共同研究者がそれぞれの所属学会等における口頭発表・論文発表を行う。その上で共同研究者個々人による研究成果をとりまとめ文章化することにより、研究成果報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、第一には、共同研究者間の日程調整が困難であったことにより、本研究がサブフィールドと位置付ける地域や事例に関する共同調査の機会を設けることができなかったことである。 第二には、、共同研究者間の日程調整が困難であったことにより、共同研究者が全員参加のもとでの意見交換の場の設定や、研究会開催の機会を1度しかもつことができなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者を中心に、共同研究者個々人が、本研究がメインフィールドと位置付ける北海道浦幌町における個別の調査・研究を継続する。 共同研究者間の日程調整を行って、本研究がサブフィールドとして位置付けるいくつかの地域や事例に関する共同ないし共同研究者個々人による調査を行う。 共同研究者間の日程調整を行って、研究成果報告書の作成を念頭に共同での研究会を開催し、情報共有・意見交換の場を設ける。
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Research Products
(17 results)