2016 Fiscal Year Annual Research Report
The development of educatinal programm for preventing bullying at school bzsed on the phenomenological explication of cleaning activities and school lunch
Project/Area Number |
25381007
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
生越 達 茨城大学, 教育学研究科, 教授 (80241735)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 給食の時間 / 学校清掃 / いじめ予防 / 管理的眼差し / 自己形成 / 思いやり / 小さな教育 / 教育の可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
教育の成果の可視化が強く求められる時代は、教育に関して管理的な眼差しが強まる危険性をもっている。そうした状況において、評価の眼差しと関わらない日常的な教育活動として給食活動や清掃活動は非常に重要な意味をもっていると考え、研究テーマを設定し,現実に学校清掃や学校給食の在り方をフィールドワークした。その結果を、研究方法としてはハイデガーの思索を中心とする現象学の視点から明らかにした。 まず、給食活動について明らかになったことは、給食指導はしつけ(文化の伝達)という側面を持ちつつも、本来食のもつ社会性、思いやりや分かち合いという視点から活動を捉えることが重要であることである。そして食育は、三つのつながり、つまり対象とのつながり、他者とのつながり、自己とのつながりから捉えることが必要であることを明らかにした。そして食育の重要性は、「弁当の日」のもつ意味へとつながっている。そしてこうしたつながりを大切にした給食活動は、教育の可視化が求められ、そして子どもたちの孤立化が進んでいる状況において、子どもたちの自尊感情を育み、自己形成を促進するものであることを明らかにした。 次に、清掃活動について明らかになったことは、清掃活動は子どもたちの小さいけれども大切な活動であり、清掃活動に対する教師の向き合い方が、子どもたちに与える影響は非常に大きいということである。教師は、真面目に清掃をやる子どもたちを他の目立つ活動以上に大切な子どもとして学級に位置づけること、掃除を子どもたちが世界を丁寧に捉える機会としてとらえ、彼らの成長の時間として位置づけること、それらが学級経営にとって重要な意味をもつことを明らかにした。 そして給食や清掃活動を大切にすることは、いじめの起きない学級や学校づくりに直結していることが明らかになった。
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