2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the pedagogical-historical development of competence and its meaning in the present reforms in German
Project/Area Number |
25381017
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
津田 純子 新潟大学, 教育・学生支援機構, 名誉教授 (90345520)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドイツ語圏のコンピテンス概念史 / 教師教育改革 / GBW(人間形成と知識学会 / 教員養成スタンダード / PISAショック |
Outline of Annual Research Achievements |
補助事業延長による2017年度の前半は、ドイツ語圏のコンピテンス概念に注目する日本先行研究を調査し、後半はコンピテンス指向の教育改革批判を展開しているGBW(人間形成と知識学会2010創設)の活動を検討した。その結果、以下の知見が得られた。 (1)ドイツ語圏でのコンピテンス概念は、PISAショック後、質の転換を図る教育制度改革の論議(教職の専門性、教育・教員養成スタンダード)が展開される中で、歴史的学問研究が深まり、「教育科学分野の中心概念に昇格した」(ノイマン)と位置づけられている。コンピテンス概念の史的研究は、教師教育改革に関する初めての日独共同研究(渡邉・Kノイマン2010)以降日本でも活発化し(吉田2010/2016、伊藤2016等)、特に政策転換をもたらす改革委員会で中心的人物の動き(ロート、ヴァイネルト、クリーメ、テ―ハルト)が明らかになってきた。 (2)ドイツ教員養成スタンダード(2004)は、教育審議会が1970年に定めた教師の専門職としての活動領域を教師のコンピテンス中核領域として、テ―ハルトがKMK改革委員会最終報告(2000)として提出したものである。後に、彼はこれが「教員の現実にきちんと基づかず構想・提唱」されたもので、今後は教員と共に改革すべきだと指摘した(2011)。ドイツの教員養成改革にインパクトがあるのはスイスとオーストリアのもので(ケムニッツ2009)、特にEPIK(国際的文脈でのプロフェッショナル開発)は注目される。 (3)GBWは、「教育システムへの政治的経済的干渉を批判的に検証」し改革推進派と攻撃的政治的なコミュニケーションをするが、教育政治的な派に傾倒しないことを趣旨とする。HPに批判の論拠となる基礎文献や寄稿論文も集めて公開し、コンピテンス指向教育改革関連概念、授業学などの研究を進めている。2018年大会には過去最大400名が参加した。
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Research Products
(4 results)