2014 Fiscal Year Research-status Report
教員養成の質の向上における学校支援ボランティアの意義の再検討と支援システムの構築
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25381019
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
菅野 文彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (30216288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 真吾 静岡大学, 教育学部, 講師 (30547063)
益川 弘如 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (50367661)
山本 真人 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80609305) [Withdrawn]
長谷川 哲也 静岡大学, 教育学部, 講師 (90631854)
島田 桂吾 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (20646674)
長倉 守 静岡大学, 教育学部, 准教授 (20734205)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学校支援ボランティア / 教員養成 / サービス・ラーニング / 省察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,全国の教員養成系大学・学部で実施されている教員を目指す学生による「学校支援ボランティア」の実態を量的・質的調査によって明らかにし,教員養成における「学校支援ボランティア」の意義を再検討した上で,ボランティアの質を保証するための支援システムを構築・検証することを目的としている。本年度は①先行研究等の整理による「ボランティア」および「サービス・ラーニング」概念の再検討,②教員を対象とした質問紙調査データの再分析による受け入れ側の意識分析,③Webによるマッチング・振り返り支援システムの構築という3つの課題に取り組んだ。 ①の「ボランティア」および「サービス・ラーニング」概念の再検討では,国内外の先行研究をもとに,「ボランティア」や「サービス・ラーニング」といった経験学習の手法が,単に職務遂行上の実践的能力のみならず,市民性や意思決定能力(自律性)の育成に寄与しうることが明らかとなった。加えて,こうした経験学習による学びをより確かにものにするためには,「省察」や「振り返り」の教育的意義を再考すべきである。 ②の質問紙調査データの再分析では,受け入れ側の教員は学生を学校現場の戦力として求めるよりも,学生が成長することを期待している割合が高く,そうした教員はボランティア活動を通じて学生が教職全般について学び,教員としての資質能力を身につけるべきとしていることが明らかとなった。 ③のWebによるマッチング・振り返り支援システムの構築では,公立小学校2校のボランティア活動に参加する学生を対象とした振り返り会でWebシステムを試験的に運用し,教員と学生および学生相互の情報交換・コミュニケーションツールとしての有効性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「ボランティア」および「サービス・ラーニング」概念を整理することで,経験学習を通じて育成される資質能力や,「省察」「振り返り」の重要性が明らかとなった。また教員を対象とした質問紙調査データを再分析することで,受け入れ側の教員のボランティアに対する期待や課題などが明らかとなった。さらにWebによる支援システムの構築では,試験的運用ながら,活動の振り返りにおける情報交換・コミュニケーションツールとしての可能性が確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,これまでの概念整理および基礎的調査の結果をもとに,学校支援ボランティアの「省察」「振り返り」の効果的な実施方法や,Webによる支援システムの汎用性などを検証することで,本研究の成果をまとめていきたい。
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Causes of Carryover |
本年度は教員を対象とした質問紙調査データの再分析や,Webによる支援システムの構築を優先して実施したため,大学等への訪問調査を次年度へと繰り越した。そのため,訪問調査にかかる出張旅費やインタビューデータの処理に関する経費が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,大学等への訪問調査やWeb支援システムの改良,および本研究の成果報告書の作成を予定しており,これらの経費に本年度の繰り越し額を充てる計画である。
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Research Products
(2 results)