2013 Fiscal Year Research-status Report
戦時下におけるキリスト教学校教育の動態―統制に対する対応の多様性を中心に―
Project/Area Number |
25381041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
榑松 かほる 桜美林大学, 心理・教育学系, 教授 (90112656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 宏 東海大学, 課程資格教育センター, 准教授 (10350323)
影山 礼子 関東学院大学, 法学部, 教授 (20245286)
辻 直人 北陸学院大学, 人間総合学部(幼児児童教育学科), 准教授 (70523679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | キリスト教学校教育 / 国家統制 / ミッションスクール / 戦時下教育 / 統制への対応 / 教派 |
Research Abstract |
研究会の在り方を検討するために、5月研究準備会を町田で開催、大島、高瀬と筆者3名で、研究会の運営方法や各自の研究分担などについて検討した。また、共同研究参加を希望している柴沼真を加えることを決定し、共同研究は6名で進めることになった。 7月20日第1回研究会を桜美林大学に於いて開催した。これまでの先行研究の状況と問題(大島報告)と「基督教教育同盟会」に関する報告(高瀬報告)を中心に、各自のテーマ設定について意見交換が行われた。その結果、「戦時下におけるキリスト教学校教育の動態」を特に「国家統制との関係」に注目して、各自が自由にテーマを設定して展開することになった。 3月16日~17日(1泊2日)伊豆高原桜美林クラブにて、第2回研究会を開催してそれぞれ7月以降進めてきた資料調査に基づいた研究報告をしたが、各自の報告は以下の通りである。 1、日本基督教団関係神学校の動向(大島)2、文部省綜合視察について(高瀬)3、昭和初期・戦時下長老派・改革派学校の動向(辻)4、戦時下に於ける同志社女学校と末光信三(柴沼)5、戦時下の関東学院(影山)6、占領地の学校、崇貞学園に対する国家援助(榑松) 長老・改革派、バプテスト派、組合派と主たる教派の学校を取り上げることやキリスト教学校にとって「統制」の意味をもったとされてきた文部省綜合視察の全容、聖職者養成への国家統制の問題、キリスト教学校でありながら国家から支援された北京崇貞学園など、国家統制と戦時下キリスト教学校の多様性が本共同研究によって明確にされるであろう手ごたえを得た研究会となった。同研究会により各自の研究テーマは確定し、次年度はさらに資料調査を拡大して各自研究を推進することと所属学会での報告をする方向で進めることを確認した。助成金は研究推進のための調査活動の旅費、研究会開催費用、資料整理、機器の整備などに主として用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各自の研究テーマが確定して、しかも基本的な資料収集は進展しつつある。 しかも、年2回の研究会をもって各自の研究を合同で検討し、再調整を図るという事前の合意も達成されている。次年度、各自が進めるべき方向性も明確であり、次年度も夏休みと春休みを使用しての研究合宿を開催することなども決定しており、当初計画した研究はほぼ予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は各自の研究テーマに基づいた研究を推進させ、自発的に所属している学会での報告を行うなどして、各自の研究を深化・展開させる。 年2回予定している研究会では、全員毎回報告して研究の進捗状況を確認し、共通する課題を中心に意見交換を活発に行い、さらなる研究の課題を確認してそれぞれの研究をまとめる方向で研究を進める。 出版社に関してはまだ交渉の段階ではないが、ほぼ出版が想定できる研究内容まで次年度中に完成して、最終年度には出版を目標として、研究成果をまとめる方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大学の業務との関係上、調査旅行を進められなかった部分がある。次年度、より良い研究成果を期待できるような計画を立てて、合理的に助成金を運用したいと願っている。 また、3月合宿での研究会開催を計画していて、琵琶湖近くの施設を使用する計画であった。そのため見込んでいた関東から関西への交通費、宿泊費を予算化していたが、計画していた施設が使用できず、伊豆高原の施設での開催に変更になったため、予算化していた経費が少なくなった。 各自の自発的な研究計画に基づく調査旅費、資料購入などに充てる。学会での報告活動などの費用に用いる計画である。より有意義な研究会活動ができる費用にあてる予定である。
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