2013 Fiscal Year Research-status Report
地域人材の顕在化を目指すeポートフォリオによる学習成果の社会的活用研究
Project/Area Number |
25381117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Information and Research Center for Learning |
Principal Investigator |
柵 富雄 公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター, その他部局等, 主任研究員 (70470101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 潤一 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (20158249)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | eポートフォリオ / 学習成果の活用 / ショーケース |
Research Abstract |
本研究は、eポートフォリオを地域人材の社会参加を促進する機能に発展させることを目的として研究するものである。平成25年度は、eポートフォリオの発展的活用の理論的枠組み形成に向けて、次の通り研究を進めた。 1 先行研究の文献調査と国内外における先進事例調査 (1)文献や学会の研究大会への参加を通じて、国内の先行研究調査を行った。(2)国外での先進事例調査として、欧米におけるeポートフォリオ研究の国際会議(EPIC)主宰者の紹介を受け、フランスの3つの事例調査を行った。(パリ市大学連合によるeポートフォリオ利用、雇用促進のための国の教育・スキル認定機構、ロレーヌ連合大学と教育局によるeポートフォリオの地域共通システム) これらの調査を通して、地域の教育行政、大学、企業等が共通にeポートフォリオを利用し、公開を希望する高校生から大学生、企業人材の相互に学習成果や人材情報を活用し合う、eポートフォリオの発展的利用の枠組みを検討した。 2 学習成果を活用した社会参加に関する社会人の意識調査 (1)現在学習活動を行っている社会人を対象に、学習成果の記録の状況、学習成果の活用の意向、活用するにあたっての課題等をアンケート調査した。(2)現在の枠組みでの問題点を把握するため、働き盛りからシニアを対象に参加者を募集し、学習成果の活用を支援するプログラムを設計し試行した。その結果、学習者側には、学習成果を生かした社会参加の目標や、その根拠を社会に示すこと(ショーケース)に課題が多いことが分かった。また、支援機関・教育行政側には、相談対応の質的向上や活動場所への紹介のための情報の充実等の効果が見られるものの、学習単位制度や人材データベース等、現状の枠組みに起因する課題が多いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施した先行事例調査を通して、eポートフォリオの発展的利用の枠組みを研究する有効な情報を得ることができた。また、試行したプログラムを通して、学習者側、支援機関側のそれぞれに、現状の枠組みの中に内在する課題を分析する有効な情報を得ることができた。 eポートフォリオの発展的利用の枠組みの研究は、これらの情報のみならず、先行研究や先進事例調査をさらにふまえる必要があり、平成26年度に引き続き調査を実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
1 平成26年度は、引き続き先行研究、先進事例調査を行うとともに、平成25年度に行った現状の枠組みによる試行プログラムで明らかになった課題の分析を行うことで、eポートフォリオの発展的活用の理論的枠組みの研究を進める。 2 学習成果の社会的活用にあたって重要な情報となるショーケースについて、学習者側、支援機関側、企業・地域団体等のステークホルダーのそれぞれの側面から課題の分析を行う。学習者についてはインターネット市民塾利用者等より協力者を集め、ショーケース作成の試行評価を通して課題を分析する。企業・地域団体等のステークホルダーについては、ヒアリング調査やワークショップによる分析を行う。 3 関係学会での研究発表を通じて、研究に関する評価やアドバイスを得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、eポートフォリオの活用のためのシステムは、構築済みのインターネット市民塾の機能をそのまま利用したため、関係技術者等への謝金を執行しなかった。 平成26年度は、eポートフォリオ活用のためのシステム機能を追加するため、次年度使用額は関係技術者への謝金、および被験者の試行活用の支援に伴う謝金等に充てることとする。
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Research Products
(1 results)