2014 Fiscal Year Research-status Report
地域人材の顕在化を目指すeポートフォリオによる学習成果の社会的活用研究
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25381117
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Research Institution | Information and Research Center for Learning |
Principal Investigator |
柵 富雄 公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター, その他部局等, その他 (70470101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 潤一 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (20158249)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域人材 / eポートフォリオ / 学習成果の活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、eポートフォリオを地域人材の社会参加を促進する機能に発展させることを目的とするものであり、平成26年度は次のとおり研究を進めた。 1)前年度に行った現状の枠組み(富山県民生涯学習カレッジ等)による試行プログラムで明らかとなった課題の分析を行った。課題分析にあたって、試行プログラム参加者への追跡調査を行い、地域人材としての活動の継続状況や課題についてアンケート調査を実施した。 その結果、前年度にショーケースを公開した市民のうち、約6割が地域人材としての活動に結びついている一方、約2割は活動に結びついていないことがわかった。その理由として社会参加のプラン等の課題や、地域の公民館や学校等におけるショーケースの周知が十分でないことも分かった。 これらの課題分析について、日本教育工学会全国大会で研究発表を行った。 2)学習成果を生かして社会参加することへの動機づけについての考察するため、インターネット市民塾利用者の協力により意識調査を行った。市民講師などの活動を始めようとした動機については、知識や経験を生かしたいとするものが最も多かった。その知識・経験を記録するために、eポートフォリオは重要な機能となる可能性を確認することができた。一方、eポートフォリオの記録を活用して新たな社会活動のプランを作成するためには、メンター等の役割が重要であることもわかった。 3)EU各国におけeポートフォリオの共通的なフレームワークとなっている"Euro-portfolio"プロジェクトと、全英の支援機関であるCRAの取り組みを調査するため、イギリスへの調査を行った。日本とは社会的な背景が異なるものの、理論的枠組みの検討に参考にできることが多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発展的枠組みの検討にあたって、知識や経験を生かす市民の動機づけや支援の枠組みについて、踏み込んで考察することができた。 先行事例調査では、共通のフィレームワークの存在が大きいことをあらためて確認することができ、日本における枠ぐみの検討に有益な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果をまとめ、学会発表等を通じて各方面での知見の活用に資する。 1)eポートフォリオ・システムのプラットフォームに関する役割と課題 2)実践の枠組みとしての地域人材認定機構に関する役割と課題 3)市民の社会参加を支援する支援人材に関する役割と課題 4)共通的枠組みに期待される役割
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Causes of Carryover |
カンファレンス参加費の支払いが次年度となるため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に支払い済み
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